MVNOのシェア・満足度調査-2025年

2025年2月 MVNOのシェア・満足度調査 上位7サービスの比較

調査概要

MMD研究所が2025年2月1日~2月6日に実施した「2025年2月MVNOのシェア・満足度調査」では、18歳~69歳の男女40,000人を対象とした予備調査と、MVNO利用者1,050人を対象とした本調査が行われました。本調査では、OCNモバイルONE、mineo、IIJmio、楽天モバイル(MVNO)、日本通信SIM、イオンモバイル、J:COM MOBILEの7サービス(各150人)を対象に、シェア、総合満足度、NPS(ネット・プロモーター・スコア)を評価しました。なお、OCNモバイルONEは新規受付を停止していますが、利用者シェアの高さから調査対象に含まれています。

シェア比較

予備調査(36,836人)によると、MVNOをメインで利用している割合は9.1%で、2024年9月の9.3%から0.2ポイント減少しました。MVNO利用者3,358人が契約しているサービスのシェアは以下の通りです:

  • OCNモバイルONE: 17.1%(前回比-1.9ポイント)
  • mineo: 14.4%(前回比-0.1ポイント)
  • IIJmio: 13.9%(前回比+0.3ポイント)
  • 楽天モバイル(MVNO): 11.5%(前回比-5.5ポイント)
  • 日本通信SIM: 10.8%(前回比+1.5ポイント)
  • イオンモバイル: 10.2%(前回比-0.1ポイント)
  • J:COM MOBILE: 9.8%(前回比+0.4ポイント)

OCNモバイルONEが首位を維持するものの、新規受付停止の影響でシェアは減少。日本通信SIMは利用率の増加率が最も高く、J:COM MOBILEとIIJmioもシェアを拡大しています。

総合満足度比較

各サービスの総合満足度(1,050人を対象に評価、ポイント制)は以下の通りです:

  • 日本通信SIM: 808pt(トップ。前回比-118ptだが依然高評価)
  • OCNモバイルONE: 769pt(2位。前回885ptから低下)
  • mineo: 760pt(3位。前回891ptから低下)
  • IIJmio: 755pt(4位。前回885ptから低下)
  • イオンモバイル: 748pt(5位。前回850ptから低下)
  • J:COM MOBILE: 740pt(6位。前回870ptから低下)
  • 楽天モバイル(MVNO): 735pt(7位。前回880ptから低下)

日本通信SIMが総合満足度で圧倒的1位を維持。コストパフォーマンスや通話品質が高評価の要因とされています。他サービスは前回比で満足度が低下傾向にあり、特に楽天モバイル(MVNO)はMNOへの移行が進む影響が顕著です。

NPS(顧客推奨度)比較

NPSは、家族や友人にサービスを薦めるかを10点満点で評価し、推奨者(9~10点)から批判者(0~6点)を引いたスコアで算出されます。結果は以下の通りです:

  • 日本通信SIM: +12.7(唯一のプラススコア。前回比+7.4ポイント改善)
  • mineo: -7.3(2位。前回比+0.7ポイント改善)
  • イオンモバイル: -8.7(3位。前回比+6.0ポイント改善)
  • IIJmio: -9.3(4位。前回比-1.9ポイント低下)
  • OCNモバイルONE: -10.0(5位。前回比-2.0ポイント低下)
  • 楽天モバイル(MVNO): -15.3(6位。前回比-5.3ポイント低下)
  • J:COM MOBILE: -20.7(7位。前回比-2.7ポイント低下)

日本通信SIMは推奨者が批判者を上回る唯一のサービスで、顧客ロイヤルティが突出。mineoとイオンモバイルもNPSが改善傾向にありますが、J:COM MOBILEは批判者が50%以上と課題が残ります。

サービスの特徴と強み

  • OCNモバイルONE: 新規受付停止にもかかわらずシェア1位を維持。ドコモ回線の安定性とネットワーク品質が高評価だが、満足度とNPSは低下傾向。
  • mineo: 柔軟なプラン「マイピタ」やコミュニティサイトが支持を集め、満足度とNPSで安定した評価。IoT用途の新サービスも展開中。
  • IIJmio: 端末セールや大容量プランが好調でシェア拡大。ドコモ・au回線の選択肢とコストパフォーマンスが強みだが、NPSは低下。
  • 楽天モバイル(MVNO): MNOへの移行によりシェアと満足度が大幅低下。新規受付停止が影響。
  • 日本通信SIM: 低価格(1GB/290円~)と通話品質が強みで、満足度・NPSで圧倒的1位。速度は混雑時に低下するとの声も。
  • イオンモバイル: 家族向けシェアプランや店舗サポートが特徴。60歳以上向け「やさしいプラン」も人気。NPSは改善傾向。
  • J:COM MOBILE: 光セット割「データ盛り」でシェア拡大中だが、満足度とNPSは低め。カスタマーサポート利用率は38.0%と高い。

通信速度の比較

通信速度はMVNOの回線品質や時間帯による混雑に影響されます。以下は実測値やユーザー評価に基づく比較です。

  • OCNモバイルONE: NTTドコモ回線を使用し、下り平均58.05MbpsとMVNOトップクラス。ただし新規受付終了により、今後の速度維持は不透明。
  • mineo: ドコモ、au、ソフトバンクの3回線から選択可能。Aプラン(au回線)は下り63.46Mbps(18時台)と速いが、昼12時台は遅延(約1Mbps)報告あり。
  • IIJmio: ドコモ・au回線。下り平均10.42Mbpsとやや遅めだが、安定性は高い。低速モード(300kbps)はデータ消費なしで音楽再生に適している。
  • 楽天モバイル: 自社回線で下り36.07Mbps(全体平均)。プラチナバンド導入で地下や屋内での接続性が向上。無制限プランは速度制限なし。
  • 日本通信SIM: ドコモ回線。速度データは限定的だが、ユーザー評価では安定。昼間の混雑時は他社同様やや低下。
  • イオンモバイル: ドコモ・au回線。速度はIIJmioと同等程度で、混雑時にやや遅延するが、日常利用では問題ないとの声が多い。
  • J:COM MOBILE: au回線。速度はUQ mobileに近い(下り87.74Mbps)が、混雑時の低下が報告される。

おすすめユーザー: 速度重視なら楽天モバイルやmineo(Aプラン)、安定性を求めるならOCNモバイルONEやIIJmio。昼間の利用が多い場合は楽天モバイルの自社回線が有利。

まとめ

日本通信SIMは低価格と高満足度で際立つ存在で、特にNPSのプラススコアは顧客ロイヤルティの高さを示します。OCNモバイルONEはシェア首位を維持するも、新規受付停止で今後の動向が注目されます。mineoとIIJmioは安定した評価を受け、シェア拡大中のJ:COM MOBILEは満足度向上が課題です。イオンモバイルは家族向けプランで支持を集め、楽天モバイル(MVNO)はMNO移行の影響で低迷。各サービスの特徴を踏まえ、コスト、速度、サポートのバランスで選択することが重要です。

上位7社の詳細比較

はじめに

日本国内の格安SIM(MVNO)市場は多様な選択肢があり、各社が独自の料金プランやサービスを提供しています。ここでは、OCNモバイルONE、mineo、IIJmio、楽天モバイル、日本通信SIM、イオンモバイル、J:COM MOBILEの7社を、料金プラン、通信速度、サポート体制、特徴的なサービスの観点から比較し、それぞれの強みや適したユーザー像を詳しく解説します。なお、OCNモバイルONEと楽天モバイル(MVNO)は新規受付を終了していますが、既存ユーザーの利用状況や比較の参考として含めています。

料金プランの比較

各社の料金プランはデータ容量や通話オプションの有無により異なります。以下に主要なプランをまとめます。

  • OCNモバイルONE: 新規受付終了済み。500MB/月(550円)から10GB/月(1,760円)まで低容量プランが特徴。10分通話無料オプションが500MBプランに付属し、音楽ストリーミングのデータ消費を抑える「MUSICカウントフリー」が人気でした。
  • mineo: 1GB/1,298円から20GB/2,178円(デュアルタイプ)。「マイそく」プラン(250円~)は最大1.5Mbpsでデータ無制限。データ繰り越しやパケットシェアが特徴で、20GBプランはコストパフォーマンスが高い。
  • IIJmio: 2GB/850円から55GB/3,900円まで幅広いプラン。5GB/990円はOCNモバイルONEの3GB/990円よりお得。データ繰り越しは翌月末まで。端末セット割引が充実。
  • 楽天モバイル: MVNOは新規受付終了。「最強プラン」は3GB/1,078円から無制限/3,278円。家族割や学割でさらにお得。プラチナバンド対応でエリア拡大中。
  • 日本通信SIM: 1GB/290円から50GB/2,178円。1GBプランは業界最安値級。20GB/1,390円は大容量ユーザー向けでコストパフォーマンスが高い。
  • イオンモバイル: 1GB/858円から50GB/5,258円。店舗での即日契約が可能で、シニア向けプラン(3GB/528円、60歳以上)も提供。データシェア対応。
  • J:COM MOBILE: 1GB/1,078円から20GB/2,728円。ケーブルテレビ契約者向けに割引あり。データ繰り越し可能で、au回線を使用。

おすすめユーザー: 低容量(1~5GB)なら日本通信SIMやIIJmio、20GB以上なら楽天モバイルやmineoがコスパ良好。家族利用ならイオンモバイルやJ:COM MOBILEのシェアプランが有利。

サポート体制の比較

サポートはオンライン中心だが、店舗対応や独自サービスが各社で異なります。

  • OCNモバイルONE: オンラインサポートのみ。ドコモショップでの即日契約が可能だったが、新規受付終了により既存ユーザー向けサポートに限定。
  • mineo: オンラインと一部店舗(mineoショップ)。ユーザーコミュニティが活発で、FAQやチャットサポートが充実。契約手続きはスムーズ。
  • IIJmio: オンライン中心だが、ビックカメラで即日契約可能。専用アプリでプラン変更やデータ確認が簡単。キャンペーンも豊富。
  • 楽天モバイル: 全国の楽天モバイルショップで対面サポート。オンライン申し込みも簡単で、Rakuten Linkアプリで無料通話が便利。
  • 日本通信SIM: オンラインサポートのみ。シンプルなプラン設計で、サポートは必要最低限だが、FAQが充実。
  • イオンモバイル: イオン店舗で対面サポート。即日契約やシニア向け丁寧な対応が強み。オンラインも利用可能。
  • J:COM MOBILE: J:COM店舗やオンライン。ケーブルテレビ契約者向けに手厚いサポートを提供。

おすすめユーザー: 店舗サポートが必要ならイオンモバイルや楽天モバイル、オンラインで十分ならIIJmioや日本通信SIMが適している。

特徴的なサービスの比較

各社独自のサービスがユーザーの選択に影響します。

  • OCNモバイルONE: MUSICカウントフリーや容量シェアが特徴。端末セール(例:iPhone13割引)が人気だったが、新規受付終了。
  • mineo: データ繰り越し無期限、パケットギフトで他のユーザーとデータ共有可能。「マイそく」プランは低速無制限でユニーク。
  • IIJmio: 低速モード切り替えでデータ節約。スマホセット割引が豊富で、MNP限定キャンペーンがお得。
  • 楽天モバイル: Rakuten Linkで通話無料、データ無制限プランは他社にない強み。ポイント還元キャンペーン(最大40,000円相当)が魅力的。
  • 日本通信SIM: シンプルで低価格なプラン。1GB/290円は業界最安値級で、ライトユーザー向け。
  • イオンモバイル: シニア向けプランや店舗での即日契約。家族でのデータシェアが使いやすい。
  • J:COM MOBILE: ケーブルテレビとのセット割引。データ繰り越しやau回線の安定性が特徴。

おすすめユーザー: データ無制限を求めるなら楽天モバイル、データシェアや繰り越し重視ならmineo、端末セット購入ならIIJmio、シニアや店舗サポートならイオンモバイル。

まとめ

各社の強みは以下の通りです。低容量かつ低価格なら日本通信SIM、柔軟なプランとデータシェアならmineo、大容量や端末セットならIIJmio、無制限プランなら楽天モバイル、店舗サポートならイオンモバイル、セット割引ならJ:COM MOBILE。OCNモバイルONEは通信品質が高かったが、新規受付終了により代替としてIIJmioやmineoが推奨されます。ユーザーのデータ使用量、サポートニーズ、予算に応じて最適な選択肢を選ぶことが重要です。