韓国ドラマ「あなたに似た人」概要
韓国ドラマ「あなたに似た人」（原題：너를 닮은 사람、英題：Reflection of You）は、2021年10月13日からJTBCで放送され、Netflixで同時配信された全16話のサスペンス・ロマンスドラマです。原作はチョン・ソヒョンの同名小説で、脚本はユ・ボラ、演出はイム・ヒョヌクが担当。妻と母としての役割を捨て、自分の欲望に忠実な女性と、彼女との出会いによって人生の脇役に追いやられたもう一人の女性の複雑な関係を描いた大人向けの復讐劇です。深い心理描写とドロドロとした愛憎劇が特徴で、視聴者を引き込む重厚なストーリー展開が魅力です。
あらすじ
チョン・ヒジュは、画家として成功し、財閥のテリム病院＆学園法人一族の嫁として華やかな生活を送っています。しかし、彼女の内心には満たされない欲望と過去の秘密が潜んでいます。ある日、娘のリサが学校でトラブルに巻き込まれ、ヒジュはその加害者である教師、ク・ヘウォンと対面。ヘウォンはヒジュの過去を知る人物であり、かつての因縁が再び動き出します。ヒジュの欲望とヘウォンの復讐心が交錯し、家族や周囲の人々を巻き込んだ壮絶なドラマが展開。過去と現在の選択が、登場人物たちの運命を予想外の方向へと導きます。
キャスト
主要人物
- チョン・ヒジュ（コ・ヒョンジョン）: 画家でエッセー作家。テリム病院＆学園法人の嫁として成功を収めるが、自己中心的な一面を持つ。過去の秘密が物語の鍵。
- ク・ヘウォン（シン・ヒョンビン）: テリム女子中学校の非常勤美術教師。ヒジュとの過去の因縁から復讐を企てるが、自身の人生も揺さぶられる。
- ソ・ウジェ（キム・ジェヨン）: ヘウォンの夫で彫刻家。記憶喪失の状態で登場し、ヒジュとヘウォンの関係に深く関わる。
- アン・ヒョンソン（チェ・ウォニョン）: ヒジュの夫でテリム学園法人の代表理事。家族を守ろうとするが、妻の行動に翻弄される。
脇役
- アン・リサ（キム・スアン）: ヒジュとヒョンソンの娘。テリム中学校3年生で、物語の発端となるトラブルを引き起こす。
- パク・ヨンソン（キム・ボヨン）: ヒョンソンの母でテリム病院の理事長。ヒジュに厳しい態度を取る姑。
- チョン・ソヌ（シン・ドンウク）: ヒジュの弟でテリム病院の物理治療師。家族の秘密に絡む重要な役割。
見どころ
濃厚な心理戦と復讐劇
本作は、ヒジュとヘウォンの対立を軸に、欲望、裏切り、復讐が交錯する心理戦が繰り広げられます。特に、ヒジュの自己中心的な行動とヘウォンの執念深い復讐心がぶつかり合うシーンは、緊張感と感情の揺さぶりが強く、視聴者を物語に引き込みます。脚本家ユ・ボラの緻密な心理描写が、登場人物の複雑な感情をリアルに表現しています。
映像美と象徴性
アイルランドの絶景や高級住宅、アトリエなど、ドラマの映像美が際立ちます。特に、湖の魚や赤と緑の色彩を使った相関図は、物語のメタファーとして重要な役割を果たし、視覚的にも深い印象を与えます。ヒジュの赤い服やヘウォンの緑のコートは、彼女たちの対立を象徴しています。
実力派俳優陣の熱演
コ・ヒョンジョンとシン・ヒョンビンのW主演による迫真の演技が、ドラマの重厚さをさらに引き立てます。特に、ヒジュの複雑な内面を演じるコ・ヒョンジョンと、復讐に燃えるヘウォンを体現するシン・ヒョンビンの対比が、物語の緊張感を高めています。キム・ジェヨン演じるウジェの謎めいた存在感も見逃せません。
視聴率と評価
「あなたに似た人」は、JTBCの水木ドラマ枠で放送され、深夜帯（22時30分）の放送ながら注目を集めました。視聴率は平均3～4％台で推移しましたが、Netflixでの配信により国内外で話題に。視聴者からは「ドロドロの愛憎劇がクセになる」「最後まで目が離せない展開」と高評価の一方、「後味が重い」「登場人物に共感しにくい」との声もあり、賛否両論を呼びました。Filmarksでは平均3.4点（レビュー数1048件）と、一定の支持を得ています。
配信情報
日本ではNetflixで全16話が見放題配信されています（2025年8月現在）。1話約70分で、じっくりと物語に浸りたい方におすすめです。なお、第4話は「19禁」指定となるなど、一部刺激的な内容を含むため、視聴の際は注意が必要です。
感想とおすすめポイント
「あなたに似た人」は、韓国のマクチャン（ドロドロ愛憎劇）要素を存分に楽しめる作品です。不倫や裏切り、家族の秘密といったテーマが絡み合い、視聴者に強烈な感情を呼び起こします。特に、3話以降の展開が加速し、衝撃的などんでん返しが続くため、序盤で挫折しそうな場合も3話まで視聴することをおすすめします。最終話で明かされるタイトルの意味は、物語の核心を突く衝撃的な結末で、深い余韻を残します。サスペンスや心理劇が好きな方、複雑な人間関係に惹かれる方に最適なドラマです。
