韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」概要
「地獄が呼んでいる」(原題:지옥 / Hellbound)は、2021年11月19日からNetflixで配信された韓国発のダークホラー・サスペンスドラマです。全6話のシーズン1と、2024年10月25日配信開始のシーズン2で構成されています。ヨン・サンホ監督(『新感染 ファイナル・エクスプレス』)と漫画家チェ・ギュソクによる同名ウェブトゥーンを原作とし、突然現れる地獄の使者による死の宣告と、それに翻弄される人間社会の混乱を描きます。配信開始後わずか1日でNetflix世界ランキング1位を記録し、『イカゲーム』に続く韓国ドラマの世界的ヒット作となりました。
あらすじ
2022年のソウル。突如、「天使」と呼ばれる存在から地獄行きの「告知」を受けた人間が、3体の巨大な地獄の使者により白昼堂々惨殺される超自然現象が発生します。新興宗教「新真理会」の議長チョン・ジンス(ユ・アイン)は、これを「神の裁き」と主張し、民衆の支持を集めます。一方、元弁護士のミン・ヘジン(キム・ヒョンジュ)は新真理会に対抗する組織「ソド」を立ち上げ、被害者支援に奔走。過激派集団「矢じり団」も台頭し、社会は恐怖と混乱に支配されていきます。シーズン2では、死者が復活する新たな現象が起き、新真理会やソド、矢じり団の抗争がさらに激化。地獄とは何か、生とは何かを問う物語が展開します。
主なキャスト
- ユ・アイン(チョン・ジンス役/シーズン1):新真理会の議長。カリスマ性で信者を扇動するが、謎めいた過去を持つ。
- キム・ソンチョル(チョン・ジンス役/シーズン2):復活した新真理会の初代議長。若手実力派が新たな解釈で演じる。
- キム・ヒョンジュ(ミン・ヘジン役):新真理会に立ち向かう弁護士。信念を貫く強い女性。
- キム・シンロク(パク・ジョンジャ役):地獄行きを宣告され復活した女性。物語の鍵を握る。
- ヤン・イクチュン(チン・ギョンフン役):事件を追う刑事。娘を守るため奮闘する。
- イ・レ(チン・ヒジョン役):ギョンフンの娘。新真理会の影響に揺れる。
見どころ
「地獄が呼んでいる」は、超自然現象と人間の集団心理を融合させたダークスリラーの傑作です。地獄の使者による残酷な「試演」は視覚的衝撃を与え、ヨン・サンホ監督らしい社会風刺が光ります。新興宗教の扇動、ネットリンチ、集団暴走といったテーマは現実的で、韓国のみならず世界中で共感を呼びました。シーズン1の2部構成(2022年と2026年の時間軸)はコンパクトながら濃密で、シーズン2では死者の復活という新展開が物語に深みを加えます。キャストの迫真の演技、特にユ・アインとキム・ソンチョルの異なるチョン・ジンス像や、キム・ヒョンジュの信念ある弁護士像が際立ちます。CGや映像美も高く評価され、ホラーと哲学的テーマが交錯する独特の世界観が魅力です。
放送・配信情報
2021年11月19日よりNetflixでシーズン1が独占配信開始。シーズン2は2024年10月25日より配信中。日本語字幕付きで全話視聴可能です。原作ウェブトゥーン『地獄』は日本でも双葉社から翻訳出版されています。監督・脚本はヨン・サンホ、原作はヨン・サンホとチェ・ギュソクが手掛け、シーズン1は配信3日間で世界視聴時間4348万時間を記録し、71カ国でTOP10入りしました。
視聴率と評価
シーズン1のFilmarksレビューは1万2646件で平均3.6点。視聴者からは「社会問題を痛烈に風刺した展開が秀逸」「ホラーと人間ドラマのバランスが絶妙」と高評価。一方で、「謎が解けないままシーズン2に持ち越された」との不満も。シーズン2は賛否両論で、ストーリー展開の新鮮さと映像美が好評な一方、シーズン1ほどのインパクトが薄いとの声も。英ガーディアン紙は「長く記憶に残る作品」、米ニューズウィークは「没入感が高い」と称賛しています。
感想
「地獄が呼んでいる」は、ホラーと社会派ドラマの融合が際立つ作品です。地獄の使者による恐怖描写は息をのむ迫力で、新興宗教や集団心理の暴走は現代社会への鋭い批判となっています。シーズン1の衝撃的な展開とシーズン2の新たな謎は、視聴者に「地獄とは何か」「正義とは何か」を考えさせます。全6話のコンパクトな構成で一気見しやすく、韓国ドラマの枠を超えた普遍的テーマが魅力。ホラーやサスペンス好き、社会問題に関心がある方に強くおすすめの作品です。