韓国ドラマ「D.P. -脱走兵追跡官-」の魅力
「D.P. -脱走兵追跡官-」(原題:D.P.)は、2021年8月27日からNetflixで配信が開始された韓国ドラマで、韓国の兵役制度の闇を描いた社会派ドラマです。原作は、キム・ボトンによる実体験を基にしたウェブ漫画「D.P.犬の日」で、軍務離脱捜査班(Deserter Pursuit、略してD.P.)に配属された青年たちの過酷な任務と人間ドラマを通じて、軍隊内の問題や社会的な課題に鋭く切り込みます。監督はハン・ジュニ、脚本はキム・ボトンとハン・ジュニが共同で手掛け、チョン・ヘイン、ク・ギョファン、キム・ソンギュン、ソン・ソックといった実力派俳優が出演しています。
あらすじ
2014年、兵役義務により入隊したアン・ジュノ二等兵(チョン・ヘイン)は、軍隊内でいじめや理不尽な扱いに直面しながらも、鋭い洞察力とボクシング経験を買われ、軍務離脱捜査班「D.P.」に配属されます。D.P.は、軍から脱走した兵士を追跡し、連れ戻す任務を担う特殊な部隊です。ジュノは、先輩であるハン・ホヨル上等兵(ク・ギョファン)とタッグを組み、脱走兵を追う中で、彼らが脱走に至った過酷な現実や軍隊内の不条理を目の当たりにします。シーズン1では、ジュノとホヨルのバディとしての関係性や、個々の脱走兵の背景にある深い悲しみが描かれ、シーズン2ではさらに複雑な社会問題や組織の不条理に焦点を当てた展開が続きます。
見どころ
リアルで重厚なテーマ
「D.P. -脱走兵追跡官-」は、韓国の徴兵制度や軍隊内のいじめ、階級社会、ジェンダー問題など、現実的で重いテーマを正面から扱っています。特にシーズン2では、トランスジェンダーの元兵士を想起させるエピソード「ニーナ」が登場し、社会的な議論を呼びました。原作者の実体験に基づくリアルな描写は、視聴者に軍隊の閉鎖的な世界とその問題を深く考えさせます。
チョン・ヘインとク・ギョファンのバディものとしての魅力
主人公のアン・ジュノとハン・ホヨルのコンビは、真面目で繊細なジュノと、軽快でユーモラスなホヨルの対比が絶妙で、物語に人間味と軽やかさを加えています。二人の掛け合いや成長する絆は、重いテーマの中でも視聴者を引き込む要素となっています。チョン・ヘインの繊細な演技と、ク・ギョファンの独特な存在感が光ります。
コンパクトで濃密なストーリー
シーズン1、2ともに各6話、計12話で構成されており、韓国ドラマとしては短編ながら、1話1話が濃密で無駄のない展開が特徴です。映像美や演出、俳優陣の熱演も相まって、視聴者を一気に物語に引き込みます。特にシーズン1の最終話は、緊張感あふれる展開と俳優たちの迫真の演技で高い評価を受けています。
キャストとキャラクター
- チョン・ヘイン(アン・ジュノ役):冷静で鋭い洞察力を持つ新兵。軍隊の理不尽さに葛藤しながら、D.P.としての任務を通じて成長していく。
- ク・ギョファン(ハン・ホヨル役):楽観的でユーモラスなD.P.の先輩。軽い態度の中にも深い人間性を持ち、ジュノの良きパートナーとなる。
- キム・ソンギュン(パク・ボムグ役):D.P.チームのリーダー。厳格だが、部下を気遣う一面も持つ。
- ソン・ソック(イム・ジソプ役):軍の内部で葛藤を抱える上級者。物語に深みを加える重要な役どころ。
社会的影響と評価
本作は、韓国社会で議論を呼んだ作品であり、シーズン1放送時には国防省がコメントを出すなど、社会現象ともいえる反響を呼びました。2022年の百想芸術大賞では「イカゲーム」を抑えてドラマ作品賞を受賞するなど、高い評価を受けています。視聴者からは「心に刺さる」「軍隊の現実を知った」「俳優の演技が圧巻」といった声が多く、Filmarksでは平均4.1点(レビュー数14,148件)と高評価を得ています。シーズン2は2023年7月28日から配信され、さらに多角的な視点で問題を描き、視聴者に深い余韻を残しました。
視聴方法
「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン1および2は、Netflixで独占配信中です。全12話を一気に見ることで、物語の連続性とテーマの深みをより感じられるでしょう。韓国ドラマに馴染みのない方でも、コンパクトな構成と社会派ドラマとしてのリアリティが楽しめる作品です。
まとめ
「D.P. -脱走兵追跡官-」は、韓国の兵役制度や軍隊内の問題をリアルに描いた社会派ドラマでありながら、ジュノとホヨルのバディとしての絆や人間ドラマが心を打ちます。重厚なテーマと軽快な要素が絶妙に融合し、視聴者に深い感動と考察を与える名作です。Netflixでぜひチェックしてみてください!