中国人記者が書いたWSJ報道を木原官房長官が完全否定

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道概要

アメリカの有力メディアであるウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、2025年11月27日付の記事で、日米首脳間の電話会談について報じました。この記事はWSJのアジア担当記者である中国人Wei Lingling氏によって執筆されたものです。記事によると、ドナルド・トランプ米大統領は11月25日の高市早苗首相との電話会談で、中国の習近平国家主席との事前通話の影響を受け、台湾問題に関する高市首相の発言について中国を刺激しないよう助言したとされています。この助言は、トランプ大統領が中国との緊張を避ける観点から、慎重な表現で伝えられたと記事では記述されています。

報道の背景:高市首相の発言と中国の反応

WSJの報道のきっかけとなったのは、高市首相の国会での発言です。高市首相は台湾有事の際に日本が軍事的に関与する可能性を指摘し、これが中国側を強く刺激しました。中国政府はこれに対し、即座に抗議を表明し、日中関係の悪化を懸念する声が上がりました。トランプ大統領は習近平氏との電話でこの問題を議論した後、高市首相に連絡を取り、台湾の主権問題で北京を挑発しないよう穏やかに伝えたと、当局者の話としてWSJは伝えています。

日本政府の公式対応

日本政府はWSJの報道に対し、迅速に反応を示しました。木原稔官房長官は同日午後の記者会見で、報道内容を明確に否定し、政府として事実無根であることを強調しました。また、政府はWSJに対して直接申し入れを行い、報道の訂正を求めています。この対応は、国際的な注目を集めた報道に対する日本側の公式見解として位置づけられます。

木原官房長官の具体的な発言

木原官房長官は記者会見で、「そのような事実はない点は明確にしておく」と述べ、トランプ大統領からの助言に関する記述を全面的に否定しました。午前の会見では報道への言及を避けていましたが、午後には多くのメディアや関係者からの照会が増加したことを受け、明確化を図ったと説明しています。この否定は、日米首脳電話会談の実際の内容が友好関係の強化に焦点を当てたものであり、台湾問題での助言は行われなかったことを示すものです。

事件の文脈と影響

この一連の出来事は、日米同盟の枠組みの中で台湾海峡の緊張が高まる中、日中関係の微妙なバランスを浮き彫りにしています。高市首相の台湾関連発言は、日本の従来の「戦略的曖昧さ」からの逸脱として注目されましたが、政府の否定により、首脳間の電話会談は通常の外交ルートで進んだことが確認されました。WSJの報道は当局者の匿名情報に基づくものであり、日本側の反論により、情報の正確性に関する議論を呼んでいます。