スシロー北京店舗で寄生虫卵騒動、当局が立ち入り検査 株価急落も

スシロー北京店舗での立ち入り検査事件

2026年3月5日に複数のメディアで報じられたところによると、中国北京市のスシロー長安天街店において、消費者が提供されたマグロに寄生虫の卵が付着していたと主張した事案が発生しました。北京市門頭溝区市場監督管理局が立ち入り検査を実施しています。この事件は中国メディアを中心に拡散されており、運営会社の株価にも影響を及ぼしています。

消費者の主張と経緯

2026年3月1日に同店舗で食事をした消費者が、マグロに寄生虫の卵が多数付着していたと主張しました。3月2日にはネット上に動画を投稿し、店舗スタッフとのやり取りを公開しています。動画ではスタッフが「このような寄生虫の卵が付いたマグロを召し上がったとのことですが、今後これが原因で身体に損傷や問題が生じた場合、当店は最後まで全責任を負います。各種医療費や賠償なども含みます」と発言した様子が記録されています。また、消費者は食事代の無料化や健康診断に関する対応を求めたものの、店舗側は健康診断費用については「診断の結果、問題が発見され、それが当店のマグロによるものであると判明した場合は、当社が負担します」と条件付きで回答しています。

当局の対応と寄生虫検査の詳細

北京市門頭溝区市場監督管理局は、消費者からの通報を重視し、2026年3月4日に通知を発出しました。直ちに職員を現場に派遣して立ち入り検査を実施しています。検査では、店舗内に残っていたマグロの赤身部分を証拠として保全し、正式な調査を開始しています。当局の声明では、「提供されたマグロから寄生虫の卵が見つかったとの通報」に対し迅速に対応したことが明記されており、消費者の正当な権益を保護するため、違法または規定違反行為に対しては法に基づき厳しく処罰する方針を強調しています。現時点で寄生虫の卵が実際に確認されたか、またはその種類・原因に関する検査結果の公表は報じられておらず、調査は進行中です。

運営会社の反応

スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESは、報道を把握しており、現在内容について事実確認を進めていると広報担当者がコメントしています。中国市場での積極的な店舗展開を継続している同社にとって、この事案は海外事業への影響が懸念される要因となっています。

市場への影響

報道を受けて、FOOD & LIFE COMPANIESの株価は急落しました。2026年3月6日の東京証券取引所での取引において、一時前日比約13.6%安(前日比1325円安)の8452円まで下落しています。終値は前日比5.29%安の9260円となりました(前日終値9777円)。昨年11月17日以来の大きな下落率となっており、中国メディアによる立ち入り検査の報道が売りの主な要因となっています。中国事業への悪影響や評判の悪化が懸念されており、一部のアナリストは、現時点での業績への具体的な影響は見通しにくいものの、2023年のALPS処理水問題のように中国での営業が長期間にわたりマイナス影響を受ける可能性もあると指摘しています。同社は海外事業の売上高比率を2026年度までに40%へ引き上げる目標を掲げており、中華圏が主力であるため、問題の長期化は成長戦略全体に影響を及ぼす恐れがあります。