バージニア州初の女性知事、民主党アビゲイル・スパンバーガー氏

民主党アビゲイル・スパンバーガー氏、バージニア州初の女性知事に選出

2025年11月4日のバージニア州知事選挙で、民主党のアビゲイル・スパンバーガー前連邦下院議員が共和党のウィンサム・アール・シアーズ副知事を破り、当選を果たしました。主要メディア(NBC News、POLITICO、The Washington Post、The New York Times、AP News、PBS、The Guardian、CNN、USA Today)が一斉に勝利を報じ、バージニア州史上初の女性知事誕生が確定しました。

選挙結果の概要

  • 投票率・得票率:開票率約35%時点でスパンバーガー氏55%、アール・シアーズ氏45%(AP速報)。最終的に10ポイント以上の差で勝利。
  • 後継:共和党のグレン・ヤンキン知事(任期満了)の後任として、2026年1月就任。
  • 歴史的意義:バージニア州建州248年目で初の女性知事。民主党は12年ぶりに知事職を奪還。

スパンバーガー氏のプロフィール

  • 生年月日:1979年8月7日(46歳)
  • 経歴:元CIA作戦担当官、連邦法執行官。2018年にバージニア州第7選挙区で共和党現職を破り下院議員に初当選(3期)。2023年11月に不出馬を表明し、知事選へ転身。
  • 家族:夫と3人の娘。
  • 政治スタンス:中道派。バージニア州出身議員中最頻の両党協力投票記録。警察支援団体(Virginia Police Benevolent Association)から10年ぶりの民主党知事候補支持。

主な公約と争点

  • 経済・生活費対策:住宅・医療・エネルギーのコスト引き下げを最優先。連邦政府閉鎖やトランプ政権の関税による州内影響を批判。
  • 女性の権利:中絶権保護を明言。ヤンキン前知事の制限政策を撤回へ。
  • トランスジェンダー政策:学校現場の判断に委ねる立場。共和党の攻撃広告を「分断」と反論。
  • 環境・移民:地域温室効果ガスイニシアチブ(RGGI)復帰、ヤンキン知事のICE支援命令撤回。

資金調達と支持基盤

  • 寄付額:約6,600万ドル(相手の約1.9倍)。クリーンエネルギー団体Clean Virginiaから大口支援。
  • 世論調査:選挙直前まで10〜12ポイントリード(Washington Post-Schar School調査など)。
  • 著名支援:オバマ元大統領、メアリー・ランド州ウェス・ムーア知事。

敗れたアール・シアーズ氏

  • ジャマイカ生まれの元海兵隊員。2021年に全米初の黒人女性副知事。
  • トランスジェンダー生徒のスポーツ参加・トイレ利用を最大争点に。
  • トランプ大統領の明確な支持を得られず、資金面で劣勢。

今後の意義

バージニア州は大統領選翌年の知事選が「中間評価」とされる伝統があり、今回の勝利は2026年中間選挙に向けた民主党の勢いを示すものとなりました。スパンバーガー次期知事は「バージニアの家族のために戦う」と勝利宣言。就任後は州議会下院の民主党過半数奪還も視野に、経済再生と分断解消を最優先課題に掲げています。