総務省がダウンロードに注意喚起:危険なファイル共有ソフトとは?

総務省が公表したファイル共有ソフトの注意喚起とは
総務省が警告している「ファイル共有ソフト」の具体例

総務省が公表したファイル共有ソフトの注意喚起とは

2025年11月7日、総務省は公式ウェブサイト上で「ファイル共有ソフトの不適切な利用による著作権侵害に関する注意喚起」を報道資料として公開しました。この資料は、ファイル共有ソフト(P2Pソフト)を用いた著作物のダウンロード・アップロードが、意図せず著作権侵害につながるリスクを国民に周知するものです。総務省は、国民生活センターや権利者団体への相談事例の増加を背景に、改めて利用者への警鐘を鳴らしています。

総務省:ファイル共有ソフトの不適切な利用による著作権侵害に関する注意喚起

なぜ今、総務省が注意喚起を発したのか

近年、動画視聴や音楽入手を目的にファイル共有ソフトをインストールするユーザーが増えていますが、多くのソフトは「ダウンロードしたファイルを自動的に他ユーザーへ共有(アップロード)」する仕組みを採用しています。これにより、利用者は「見るだけ」のつもりでも、公衆送信権を侵害する行為に加担してしまうケースが急増。2025年に入ってからも、プロバイダ経由の発信者情報開示請求や弁護士からの示談金要求が相次いでおり、総務省はこうした実態を踏まえ、予防的な啓発を強化しました。

具体的にどんな行為が著作権侵害になるのか

  • 違法アップロード:著作権者の許諾なく映画・音楽・漫画などをネットワークに公開(送信可能化)する行為。罰則は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(著作権法第119条)。
  • 違法ダウンロード:有償著作物(音楽・映像)を違法と知りながらダウンロードする行為。私的使用でも2年以下の懲役または200万円以下の罰金。
  • 知らぬ間の共有:ソフトのデフォルト設定で、ダウンロードフォルダが共有対象となり、他ユーザーへ自動送信されるケース。

実際に起きているトラブル事例

総務省が引用する国民生活センターの相談事例では、以下のような声が寄せられています。

  • 「動画を見るためにソフトを入れたら、1週間後に弁護士から70万円の示談書が届いた」
  • 「家族共用PCで子どもが使った可能性があるが、親宛に開示請求が来た」
  • 「アップロードの認識はなかったのに、数十万円の損害賠償を求められた」

これらのケースでは、プロバイダから「発信者情報開示に関する意見照会書」が届いた後、無視すると裁判を経て個人情報が権利者に開示され、高額和解を迫られる流れが一般的です。

総務省が推奨する3つの対策

  1. ファイル共有ソフトを使わない:最も確実な予防策。必要なファイルは正規ストアや公式サービスを利用。
  2. 設定を厳格に確認:万一インストールする場合、共有フォルダを空にし、アップロード機能を無効化。
  3. ウイルス対策を徹底:共有ソフト経由のマルウェア感染で、個人情報が丸ごと流出するリスクも併存。

最後に

総務省は「便利さの裏に潜む法的リスク」を繰り返し強調しており、11月7日の公表はまさにその集大成です。インターネットは自由な空間ですが、著作権はクリエイターの生活を守る大切なルール。一人ひとりが意識を変えることで、健全なデジタル社会が保たれます。ご自身の利用環境を今すぐ見直してみませんか?

総務省が警告している「ファイル共有ソフト」の具体例

総務省の11月7日報道資料では、具体的なソフト名を一切書いていません。これは「特定のソフトを摘発する」目的ではなく、仕組みそのものが危険であることを知らせるためです。でも、実際に権利者団体が監視・開示請求を送っているソフトは、ほぼ100%以下のBitTorrent系クライアントです。

99%のトラブルの元凶:BitTorrentクライアント

ソフト名(代表例) 特徴 なぜ危険?
qBittorrent 軽量・広告なし・オープンソース デフォルトで「DHT」「PEX」「アップロード制限なし」
μTorrent(uTorrent) 昔は軽量だったが広告だらけ 初回起動時に「共有フォルダ=ダウンロードフォルダ」
Transmission(Mac標準搭載) Macに最初から入っている 「自動でアップロード開始」設定がON
BitTorrent Mainline 公式クライアント 「シード継続時間=無制限」が初期値

1クリックで「違法アップローダー」になる仕組み

  1. あなたが「映画.torrent」をダブルクリック
  2. ソフトが自動で100人に同時にアップロード開始
  3. 1GBの映画なら、100GB(100人分)アップロードした扱い
  4. 権利者団体が「IPアドレス+アップロード量」を記録
  5. プロバイダに開示請求 → あなたの住所がバレる

「自分はダウンロードだけ」でも逃げられない理由

BitTorrentは「ダウンロード=アップロード」です。
1MBダウンロードするごとに、平均3~5MBを自動で他人に送信します。
これが「公衆送信権の侵害」として、弁護士から70~150万円の示談書が届くのです。

今すぐできる“ゼロリスク”チェックリスト

  • PCに「qBittorrent」「uTorrent」「Transmission」のアイコンはないか?
  • 「ダウンロード」フォルダに「.torrent」ファイルが残っていないか?
  • ブラウザのブックマークに「Nyaa」「BTDIG」「1337x」はないか?

↑ 1つでも当てはまったら、今すぐソフトをアンインストール+.torrent全削除してください。

安全な代替手段(総務省も推奨)

  • 動画 → Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT
  • 音楽 → Spotify、Apple Music、YouTube Music
  • 漫画 → ブックライブ、Kindle、めちゃコミック

最後に

総務省がソフト名を伏せたのは「名前が変わっても仕組みは同じ」だから。
「BitTorrentプロトコルを使う全てのソフト」が監視対象です。
該当のソフトを使用して著作権のある作品をダウンロードしたり、アップロードする事に関しては常に危険性があることを認識しなければなりません