ルータのRTモードとAPモードの違い
家庭用Wi-Fiルータの多くは、背面スイッチや管理画面で「RTモード(ルーターモード)」と「APモード(アクセスポイントモード)」を切り替えられます。これらのモードは、ルータの動作を根本的に変える機能です。以下で、各モードの役割と違いを正確に解説します。
RTモード(ルーターモード)とは
RTモードは、ルータ機能が完全に有効な標準的な動作状態です。このモードでは、ルータがインターネット接続の中心となり、接続されたパソコン・スマホなどの複数端末に対してIPアドレスを自動割り当て(DHCPサーバー機能)します。また、NAT変換や基本的なファイアウォール機能により、セキュリティを管理しながらネットワーク全体を制御します。
主な使用場面は、プロバイダー提供のONU(回線終端装置)やモデムにルータ機能が搭載されていない環境です。ルータ1台でネットワークを構築する場合に適しており、端末を直接インターネットに接続できます。
APモード(アクセスポイントモード)とは
APモードは、ルータ機能が無効化され、Wi-Fiアクセスポイントとしてのみ動作する状態です。LANケーブルで既存のルータ(例: ホームゲートウェイ)に接続し、無線LAN(Wi-Fi)の電波を拡張する役割を果たしますが、IPアドレスの割り当てやルーティングは行いません。接続端末は上位ルータからIPアドレスを受け取ります。
主な使用場面は、マンション・アパートなどでプロバイダー提供機器にルータ機能がある場合、またはWi-Fiの電波範囲を広げたい場合です。ルータ機能をオフにすることで、ネットワークの重複を防ぎます。
RTモードとAPモードの主な違い
1. ルータ機能の有効・無効
RTモード:DHCPサーバー、NAT変換、ルーティングなどのルータ機能が有効
APモード:これらのルータ機能が無効化され、単なるWi-Fiブリッジ(中継)として動作
2. IPアドレスの管理方法
RTモード:自身で端末にIPアドレスを割り当て、独自のサブネット(ネットワーク範囲)を作成
APモード:IP割り当てを行わず、親ルータと同じネットワークに所属させる
3. 推奨される設置環境
RTモード:上位機器(ONUやモデム)にルータ機能がない単独使用時
APモード:上位機器にルータ機能がある拡張使用時(二重ルータを回避)
4. 設定の自由度と影響
RTモード:管理画面で詳細なネットワーク設定(ポート開放、DHCP範囲など)が可能
APモード:一部機能が制限され、ネットワーク管理は上位ルータ側で行う
5. 切り替え方法の例
多くの製品(ELECOM、Buffalo、I-O DATAなど)では、背面のAUTO/MANUALスイッチやRT/APスイッチで簡単に変更できます。モード変更後、ルータの再起動が必要な場合があります。
どちらのモードを選択するかは、ご自宅のインターネット環境(上位機器のルータ機能の有無)によって決まります。メーカー公式マニュアルを確認の上、適切なモードをお選びください。
