2026年労働基準法大改正:40年ぶりの抜本見直しで何が変わる?

労働基準法の2026年大改正予定の概要

労働基準法は、1947年に制定されて以来、労働者の保護を目的とした基本的な法律として機能してきました。2026年には、約40年ぶりとなる抜本的な改正が予定されており、これは1987年以降の大きな見直しとなります。この改正は、デジタル化の進展やコロナ禍による働き方の多様化に対応するためのものです。厚生労働省の労働基準関係法制研究会が2024年に議論を開始し、2025年1月に報告書を公開した後、現在は労働政策審議会・労働条件分科会で審議が進められています。

改正の背景

改正の主な背景は、従来の工場中心の労働モデルから、テレワークや副業が普及した現代の自律的な働き方への移行です。労働時間や場所の柔軟化が進む中、労働者の健康管理を重視したルール整備が必要とされています。政府は、時間管理から健康管理へのシフトを目指し、企業に過重労働防止の義務を強化する方向性を示しています。

働き方の変化への対応

リモートワークの拡大やデジタルツールの活用により、労働の場所と時間が流動的になったため、従来の労働基準法が現実と乖離している点が指摘されています。この改正は、こうした変化を反映し、労働者の保護と自律性を両立させることを目的としています。

審議の進捗状況

2025年12月時点で、労働政策審議会(労働条件分科会)では賃金の支払確保に関する規則改正が諮問されており、労働基準関係法制の議論が継続中です。ただし、2026年の施行に向けた法案はまだ成立しておらず、一部では施行の先送り見通しも報じられています。

主な改正内容

改正案では、労働時間制度や休日制度を中心にいくつかの項目が見直されます。以下に主なものを挙げます。これらは報告書に基づくもので、企業は就業規則の見直しやシステム改修を検討する必要があります。

連続勤務の上限規制

現行法では、4週4休の特例で最長48日連続勤務が可能ですが、改正案では連続14日以上の勤務を禁止し、特例を2週2日に見直します。これにより、労働者の過労防止が図られます。

法定休日の明確な特定義務

現在は法定休日の特定義務がありませんが、改正後は事前の特定を義務化します。これにより、勤務形態に応じた柔軟な運用が可能になります。

勤務間インターバル制度の義務化

現行の努力義務(導入率約5.7%)から義務化へ移行し、原則11時間のインターバルを確保します。これにより、労働者の休息時間が保証されます。

有給休暇の賃金算定方式の見直し

現行では複数の方式を選択可能ですが、通常賃金方式を原則化します。これにより、日給制や時給制労働者の不利益を軽減します。

つながらない権利に関するガイドライン

勤務時間外の連絡制限を労使で検討し、ガイドラインを策定します。これにより、労働者のプライベートタイムが保護されます。

副業・兼業者の割増賃金算定の見直し

本業と副業の労働時間を原則通算していましたが、割増賃金算定時の通算を適用せず、健康管理のための通算は継続します。

法定労働時間週44時間の特例措置廃止

小規模事業場での週44時間延長を廃止し、週40時間に一本化します。これにより、すべての事業場で統一された基準が適用されます。

企業への影響と対応

改正により、企業は就業規則や雇用契約書の改定、勤怠・給与システムの更新、従業員への教育が必要です。これを法令遵守の機会として捉えることが推奨されます。