バリ島研修旅行中の万引き事件：京都・大谷高校生徒らの関与が確認
2025年12月、インドネシア・バリ島での研修旅行中に、京都の私立大谷中学・高等学校の高校2年生生徒らが窃盗行為に関与した事件が発覚しました。この事件は、防犯カメラ映像のSNS拡散をきっかけに注目を集め、学校側が公式に事実を認め謝罪する事態に至りました。以下では、事件の経緯と対応を詳述します。
事件の発生と詳細
事件は2025年12月3日頃、バリ島の土産物店で発生しました。複数の男子生徒らが、Tシャツなどの衣類をバッグに隠す様子が店舗の防犯カメラに捉えられていました。この映像は、12月5日に店側によりSNS上で公開され、日本人とみられる少年らの集団的な行動が明らかになりました。学校側は12月4日に生徒らの関与を確認し、窃盗行為として認定しています。
大谷中学・高等学校は、学校法人真宗大谷学園が運営する仏教系私立校で、偏差値の高い進学校として知られています。今回の研修旅行は、海外での文化交流を目的としたもので、2年生生徒らが参加していました。関与した生徒数は複数人で、映像からは手慣れた様子がうかがえますが、詳細な人数や被害額については公表されていません。
学校側の初期対応と謝罪
事件発覚後、学校側は当初、公式SNSアカウントの投稿を削除するなどの対応を取ったと報じられています。しかし、12月8日、学校のホームページに謝罪文を掲載し、事実関係を正式に認めました。謝罪文では、「本校の研修旅行に参加していた複数の生徒が、訪問先において窃盗行為に及んだことが確認されました。極めて重大な事態として受け止め、再発防止に努めます」と述べています。
学校は現地当局や店舗側との協議を進め、生徒らに対する指導も実施中としています。保護者への連絡も行われ、関係者への影響を最小限に抑えるための措置が講じられています。
事件の社会的影響と反応
この事件は、日本人観光客のマナー問題として国内外で批判を呼んでいます。特に、SNS上では映像の拡散が急速に進み、学校名が特定されたことで炎上状態となりました。学校の隠蔽疑惑や、仏教系学校の生徒による不祥事という点が、さらなる非難を招いています。
SNSでの拡散と世論の声
SNSでは、事件直後から「日本の恥」「集団心理の弊害」といった厳しい意見が相次ぎました。一部の投稿では、学校のインスタグラム投稿削除を「逃亡行為」と指摘し、迅速な謝罪の必要性を訴える声が見られます。
これらの反応は、12月6日頃からピークを迎え、12月8日の学校謝罪後も議論が続いています。事件は、日印両国の観光関係に悪影響を及ぼす可能性が指摘されており、再発防止に向けた教育の重要性が強調されています。
インドネシア現地メディアの報道：Tribun Jogja Officialの動画
事件はインドネシア国内でも大きな注目を集め、2025年12月8日にヨガヤカルタ拠点の新聞Tribun Jogjaの公式YouTubeチャンネル「Tribun Jogja Official」で動画が公開されました。この動画（タイトル：「SEKELOMPOK TURIS JEPANG TERTANGKAP KAMERA SAAT CURI BAJU DI BALI」）では、防犯カメラ映像を基に「日本人観光客グループがバリ島の土産物店で服を盗む」様子を詳細に報じています。映像では、4人のグループが店内で商品をバッグやポケットに隠し入れ、周囲を警戒しながら実行する姿が映っており、被害品はTシャツなどの衣類11点とされています。会話は日本語で、観光客として振る舞う様子が強調されています。
動画では、SNSでの拡散と日本人ユーザーからの「国の恥」といった非難を引用し、国際的な恥辱として取り上げています。また、単なる事件報道を超え、バリ島での外国人観光客による犯罪増加の文脈を指摘。2023年から2024年にかけての犯罪件数16%増（194件から226件）を挙げ、サイバー犯罪、麻薬、暴力、土地詐欺などを例に、地元政治家Agung Bagus Pratiksa Linggih氏のコメントや2025年7月のThe Guardian記事を引用しています。これにより、日本人観光客のマナー問題がバリ島の観光業界全体に悪影響を及ぼす可能性を警告する内容となっています。
Tribun Jogja Officialは、Tribun Network（インドネシアのメディアグループ）の一部で、主にローカルニュースを動画配信するチャンネルです。この報道は、学校名（大谷高校）や「研修旅行」などの日本側詳細を明記せず、「日本人観光客」として一般的に扱っていますが、事件の国際的な波及をインドネシア視点で捉えたものとなっています。
