近畿大学が世界初!ノドグロ完全養殖に成功〜クロマグロに続く高級魚養殖の新時代〜

近畿大学によるノドグロ完全養殖の成功

近畿大学水産研究所は、2026年2月5日に、高級魚として知られるノドグロ(標準和名:アカムツ)の完全養殖に世界で初めて成功したと発表しました。この成果は、天然資源に依存せずに人工的に種苗を生産し、養殖サイクルを確立したものです。ノドグロは脂質が豊富で「白身のトロ」と呼ばれ、大きな個体は1匹あたり1万円を超える価格で取引されることがあります。

研究の背景と開始

近畿大学水産研究所は、2015年から富山県射水市の富山実験場でノドグロの完全養殖と量産化を目指した研究を進めてきました。ノドグロは日本海側に生息する深海魚で、水深約100メートルに住み、光や振動に敏感な特性を持つため、養殖が難しいとされていました。また、海水温の上昇により漁獲量が減少傾向にあり、価格の高騰が課題となっています。

成功した養殖プロセス

2022年に新潟県上越沖で採取した卵から人工ふ化した3歳魚を親魚として使用しました。自然界の採卵時期に合わせてホルモン投与により雌を成熟させ、卵を採取して人工授精を実施。その結果、4例の人工孵化に成功し、そのうち2例では約7000匹の稚魚の飼育を継続しています。2026年2月5日現在、稚魚の飼育期間は122日となっています。

今後の計画と目標

今後は飼育方法、環境、飼料、病気対策などの技術を開発し、安定化を図ります。また、品種改良により養殖に適した種苗の生産を目指します。3年後には飲食店向けの成魚販売、5年後には養殖業者への稚魚販売を計画しており、供給の安定と価格の適正化に寄与する見込みです。

他の高級魚の養殖事例

近畿大学によるクロマグロの完全養殖

近畿大学水産研究所は、1970年からクロマグロの養殖研究を開始し、1979年に種苗生産に成功しました。2002年には世界で初めて完全養殖を達成し、2004年から完全養殖マグロの市場出荷を開始しています。2010年には豊田通商株式会社と業務提携を結び、天然資源に依存しない養殖方法の確立に取り組んでいます。

岡山県立東岡山工業高によるタマカイの完全養殖

岡山県立東岡山工業高の生徒たちは、幻の高級魚として知られるハタ科の大型魚タマカイの完全養殖に挑戦しています。アクアポニックスを活用し、2025年5月時点で体長約35センチに成長した個体を飼育中です。将来的に水槽を拡大し、卵の孵化から成魚までの完全養殖を目指しています。

クラハシと福山大学によるシロギスの完全養殖

クラハシ株式会社と福山大学は、高級魚シロギスの完全養殖に成功しました。沖縄県の陸上養殖施設で福山大学産の稚魚を育て、2023年3月からオフシーズンの出荷を開始しています。

株式会社康秀による千年鯛の養殖

株式会社康秀は、漁獲量が少なく幻の魚とされる千年鯛の養殖に取り組み、2023年から開始して成功を収めています。2025年春以降の出荷を予定し、高級魚としてのブランド確立を目指しています。