・スマホ充電中のモバイルバッテリーから火災発生
・モバイルバッテリーの火災の危険性
東京・杉並区のマンション火災:スマホ充電中のモバイルバッテリーから火災発生
2025年9月25日未明、東京都杉並区の商店街近くにある5階建てマンションで火災が発生しました。この火災の原因は、スマートフォンを充電中に使用されていたモバイルバッテリーからの発火とみられています。火元となった部屋の住人である女性が「スマホ充電中にモバイルバッテリーから火が出た」と証言しており、近隣住民も煙に巻かれて避難する事態となりました。
火災の発生状況と経緯
火災は午前4時頃、杉並区善福寺の5階建てマンションの3階の1室で発生しました。当時、火元となった部屋の女性(40代)が就寝中だったところ、ベッド脇で充電されていたスマートフォンと接続されたモバイルバッテリーから突然火が出たとのことです。火は瞬く間に部屋内に広がり、煙がマンション全体に充満。住民たちは飛び起きて避難を開始しました。
近隣住民の一人は「煙の臭いで目が覚め、隣の窓から火事だと気づいた。慌てて家族を起こして逃げました」と話しています。消防の出動までには約20分を要しましたが、火は1室を全焼するにとどまりました。商店街に隣接した立地だったため、周囲の店舗への延焼の懸念もありましたが、幸い大きな被害には至っていません。
被害と負傷者の状況
この火災により、マンションの住人を含む男女6人が煙を吸い込むなどのけがを負い、近くの病院に搬送されました。負傷者の中には火元となった女性も含まれており、うち1人は住人です。幸い全員が軽傷で済み、重傷者の報告はありません。避難した住民の中には高齢者もおり、煙の影響で体調不良を訴える人もいました。
消防によると、火災現場ではモバイルバッテリーが変形・溶解した状態で発見されており、発火の原因としてほぼ確実視されています。警察と消防は、バッテリーの不具合や充電中の過熱が要因だった可能性を調査中です。
原因の詳細:モバイルバッテリー発火の背景
今回の火災は、モバイルバッテリーの充電中の発火が直接の引き金となりました。女性の話によると、就寝前にスマートフォンを充電するためにベッドサイドで使用していたところ、突然炎上したそうです。専門家によると、モバイルバッテリーの発火はリチウムイオン電池の特性によるものが多く、以下のような要因が考えられます
- 過充電や高温環境下での使用
- 非純正品や劣化したバッテリーの使用
- 物理的な損傷や接続不良
過去にも同様の事故が報告されており、総務省のデータではモバイルバッテリー関連の火災件数が年々増加傾向にあります。この事件を機に、バッテリーの安全基準の見直しが議論される可能性もあります。
住民の声と今後の教訓
近隣住民からは「こんなに近くで火事なんて怖い。煙が充満して息苦しかった」「モバイルバッテリーの充電はもう気をつけます」という声が上がっています。消防当局は、就寝前の充電を避け、定格外の使用を控えるよう呼びかけています。
この火災は、日常的に使用されるモバイルバッテリーの潜在的な危険性を改めて浮き彫りにしました。皆さんが安全にスマートフォンを活用するための注意喚起として、ぜひ参考にしてください。
モバイルバッテリーの火災の危険性:知っておくべきリスクと対策
モバイルバッテリーは、スマートフォンやタブレットなどの充電に欠かせない便利なアイテムですが、リチウムイオン電池を使用しているため、誤った取り扱いや不具合により火災を引き起こす可能性があります。2025年9月25日未明に東京都杉並区で発生したマンション火災のように、モバイルバッテリーの発火が原因で大きな被害が生じるケースも報告されています。この記事では、モバイルバッテリーの火災の危険性とその予防策について詳しく解説します。
なぜモバイルバッテリーは発火するのか?
モバイルバッテリーの主な電源であるリチウムイオン電池は、高エネルギー密度を持ちながらも、特定の条件下で発熱や発火のリスクを伴います。以下に、発火の主な原因を挙げます
- 過充電・過放電:長時間の充電や完全放電を繰り返すと、電池内部の化学反応が不安定になり、発熱や発火の原因となります。
- 物理的損傷:落下や衝撃により内部構造が損傷すると、ショートが発生しやすくなり、発火リスクが高まります。
- 高温環境:直射日光や高温の場所(車内や布団の上など)で使用・保管すると、電池が過熱し、発火する可能性があります。
- 非純正品や劣化:品質の低い非純正品や、経年劣化したバッテリーは安全性が低く、発火のリスクが高まります。
- 不適切な充電器:規格に合わない充電器やケーブルを使用すると、過電流や過電圧が発生し、発火の原因となることがあります。
総務省の報告によると、2020年代に入ってからモバイルバッテリー関連の火災事故は増加傾向にあり、2024年には年間約100件以上の発火事故が報告されています。これらの事故の多くは、就寝中の充電や不適切な保管が原因とされています。
モバイルバッテリー火災による被害の実態
モバイルバッテリーの発火は、小規模なものから大規模な火災に至るまで、さまざまな被害を引き起こします。例えば、2025年9月25日の杉並区のマンション火災では、モバイルバッテリーが原因で部屋が全焼し、6人が軽傷を負う事態となりました。煙の充満により避難が困難になるケースも多く、特に集合住宅では近隣への影響も深刻です。
過去の事例では、以下のような被害が報告されています
- ベッドやカーペットへの引火による部屋の全焼
- 煙による一酸化炭素中毒や呼吸困難
- 高額な財産損失や避難時の二次被害
これらの事故は、適切な使用方法や保管方法を知っていれば防げるケースがほとんどです。
火災を防ぐための安全な使用方法
モバイルバッテリーの火災リスクを最小限に抑えるためには、以下の安全対策を徹底することが重要です
- 純正品・認証品を選ぶ:PSEマーク(電気用品安全法適合マーク)やUL認証を受けた製品を選び、信頼性の低い非純正品を避けましょう。
- 就寝中の充電を避ける:夜間や長時間の無人充電は避け、充電中は近くに人がいる状態で使用しましょう。
- 高温環境を避ける:直射日光や暖房器具の近く、布団やカーペットの上での充電・保管は厳禁です。
- 定期的な点検:バッテリーに膨張、変形、異臭、異常な発熱などの兆候が見られた場合は、すぐに使用を中止し、専門家に相談してください。
- 適切な充電器を使用:メーカーが推奨する充電器やケーブルを使用し、規格外のものを避けましょう。
- 適切な廃棄:使用済みのモバイルバッテリーは一般ごみに出さず、専用のリサイクルボックスや回収場所に持ち込みましょう。
もし発火したら? 対処法と注意点
万が一、モバイルバッテリーが発火した場合、迅速かつ冷静な対応が求められます。以下の手順を参考にしてください
- 電源を切る:可能であれば、バッテリーを安全に取り外し、電源を遮断します。ただし、火や煙が出ている場合は無理に触らないでください。
- 安全な場所へ避難:煙を吸わないよう低い姿勢で避難し、速やかに119番に通報します。
- 消火の試み:火が小さい場合、砂や耐火性の布で覆うことで消火を試みることができますが、危険を感じたらすぐに避難を優先してください。
- 水は厳禁:リチウムイオン電池の火災に水をかけるのは危険です。専用の消火器(クラスD消火器)を使用するか、消防に任せましょう。
まとめ:安全意識で火災を防ぐ
モバイルバッテリーは便利なツールですが、取り扱いを誤ると重大な火災事故を引き起こす可能性があります。過去の火災の事例を教訓に、純正品の使用、適切な充電環境の確保、定期的な点検を徹底しましょう。また、万が一の事態に備えて、家庭や職場での火災対策(煙感知器の設置や避難経路の確認)も重要です。安全にモバイルバッテリーを活用し、火災リスクを最小限に抑えるための意識を高めましょう。