2025年オフイヤー選挙:民主党の圧勝とトランプ政権への反発

2025年オフイヤー選挙:民主党の圧勝とトランプ政権への反発

2025年11月4日のアメリカオフイヤー選挙は、トランプ大統領の第2期就任からわずか10ヶ月というタイミングで、支持率37%(CNN世論調査)という過去最低水準に落ち込んだ大統領への「中間評価」となりました。ニューヨーク市長選とバージニア州知事選では民主党候補が歴史的勝利を収め、経済苦境・生活費高騰への不満が爆発。投票率は過去30年で最高を記録し、トランプ政権の関税・連邦職員削減・医療費抑制政策への「NO」が鮮明に示されました。

トランプ支持率37%──第2期最低を更新

  • CNN/SSRS調査(11月3日発表):承認37%、不支持63%
  • 主な不満要因:物価高(-33ポイント)、移民政策(-7ポイント)、外交(56%が「米国の地位を傷つけた」と回答)
  • 若年層(30歳未満)のネット支持率は-18ポイントに急落
  • オフイヤー選挙特有の「現職への反発」が加速──2017年第1期と同じ36%水準に並ぶ

ニューヨーク市長選:ゾーラン・マムダニ氏が歴史的勝利

34歳の民主社会主義者・ゾーラン・マムダニ氏(民主党)が、元州知事アンドリュー・クオモ氏(無所属)、共和党カーティス・スリワ氏を破り当選。市史上初のムスリム&南アジア系市長、100年ぶりの若さでの就任です。

  • 投票総数:200万票超(1969年以来最高)
  • 公約:「家賃凍結」「無料バス」「ユニバーサル保育」──富裕層増税で財源
  • トランプ大統領はクオモ氏を応援し、マムダニ氏を「共産主義者」と攻撃
  • 勝利スピーチ:「次は市庁舎が終点」──地下鉄アナウンスを引用したSNS動画がバズる

バージニア州知事選:アビゲイル・スパンバーガー氏が初の女性知事

元CIA分析官・下院議員のアビゲイル・スパンバーガー氏(民主党)が、共和党現職副知事ウィンソム・アール=シアーズ氏を破り当選。共和党の牙城を崩し、州史上初の女性知事誕生です。

  • 得票率:スパンバーガー55.6% vs シアーズ44.2%(開票68%時点)
  • 焦点:「トランプ関税で失業増」「連邦職員3万2000人削減」への対抗策
  • 勝利宣言:「バージニアは実用主義を選んだ。カオスではなく連邦」
  • 共和党は「トランスジェンダー教育」を争点化したものの通用せず

民主党が送ったメッセージ

両選挙とも経済・生活費が最大争点。トランプ政権の「DOGE(政府効率化省)」による連邦職員大量解雇、関税による物価高が直撃した有権者が、民主党の「生活防衛」公約に票を投じました。2026年中間選挙に向け、民主党は「トランプ不況」キャンペーンを本格化させる構えです。