日本の「国の借金」過去最大1342兆円超え 財政赤字・プライマリーバランスの最新推移と今後のリスク

日本の政府債務の現状

財務省の発表によると、国債、借入金、政府短期証券を合計した政府の債務残高は、2025年末時点で1342兆1720億円に達しています。この額は過去最大を更新しており、財政運営の課題を浮き彫りにしています。

債務残高の詳細

2025年末の債務総額は1342兆1720億円で、2024年末比で24兆5355億円の増加となっています。この増加は、歳出が税収を上回る状況が続いていることを示しています。

債務の内訳

債務の主な構成要素は以下の通りです。国債が1197兆6396億円を占め、そのうち普通国債は1094兆4874億円です。これらの数字は、2024年末からそれぞれ24兆837億円と23兆4827億円増加しています。普通国債は、主に税収で償還と利払いが賄われるものです。

増加の背景

債務の増加は、物価高対策などの歳出拡大圧力により、国債発行への依存が続いているためです。また、2026年度予算案では歳入の約4分の1を国債で賄う計画となっており、今後も債務残高の増加が見込まれています。

財政への影響

債券市場では財政悪化への懸念から長期金利が上昇傾向にあり、金利上昇時には利払い費が増大する可能性があります。これにより、財政運営がさらに厳しくなる状況が懸念されています。

日本の財政赤字の推移

日本の財政は長年、歳出が税収を上回る赤字構造が続いており、これが債務残高の累積増加の主因となっています。財政赤字の規模は、コロナ禍で一時的に急拡大した後、縮小傾向にありますが、依然として赤字基調です。

一般政府財政収支の推移(IMFデータに基づく、対GDP比)

一般政府(国・地方・社会保障基金)の財政収支(歳入-歳出)は、以下の推移を示しています(単位:% of GDP、負の値は赤字)。

  • 2019年:約-7.0%
  • 2020年:-16.0%前後(コロナ対策で大幅悪化)
  • 2021年:-11.0%前後
  • 2022年:-8.0%前後
  • 2023年:-5.0%前後
  • 2024年:-4.0%前後(見込み)
  • 2025年:-3.0%前後(見込み、縮小傾向継続)

コロナ禍前の水準に戻りつつありますが、社会保障費の増加などにより、完全な黒字化には至っていません。

プライマリーバランス(PB)の推移

利払い費を除いた基礎的財政収支(PB)は、財政の持続可能性を測る重要な指標です。近年は赤字幅が縮小しており、2026年度には黒字化の可能性が指摘されていますが、物価高対策などの補正予算により変動が生じています。

プライマリーバランスの詳細分析

プライマリーバランス(PB)は、国と地方の基礎的財政収支を指し、利払い費を除いた歳入と歳出の差額を示します。日本のPBは長年赤字が続いており、2020年度以降の推移は以下の通りです(国・地方合算、SNAベース、単位:兆円、負の値は赤字)。

  • 2020年度:約-40兆円(コロナ禍による経済対策で大幅赤字)
  • 2021年度:約-30兆円
  • 2022年度:約-20兆円
  • 2023年度:約-15兆円
  • 2024年度:約-13.9兆円(対GDP比-2.2%)
  • 2025年度:約-7.0兆円(対GDP比-1.0%、経済対策の影響で赤字拡大)
  • 2026年度:約-0.8兆円(対GDP比-0.1%、当初黒字見込みから赤字転落)

赤字の主な要因は、社会保障費の増加と税収の変動ですが、2024年度以降は税収の増加により赤字幅が縮小しています。ただし、一般会計ベースでは2026年度予算案で1.3兆円の黒字を達成しており、28年ぶりの黒字化です。一方、SNAベースでは補正予算の繰越分や特別会計の影響で赤字が残る可能性があります。内閣府の試算では、名目GDP成長率が3%前後で推移する場合、将来的にPBが改善する見込みですが、補正予算の規模や金利上昇がリスク要因となります。

今後の見通し

高市政権の下で「責任ある積極財政」が掲げられ、自民党の衆院選大勝により、債務のさらなる膨張が懸念されています。残高は10年連続で増加しており、持続可能な財政への取り組みが求められています。財政赤字の縮小が続けば債務対GDP比の低下が期待されますが、金利上昇リスクも注視が必要です。