KDDI子会社の架空取引問題の概要
KDDIは、2026年2月6日に連結子会社のビッグローブおよびその子会社であるジー・プランにおいて、広告代理事業で複数年にわたる架空取引が行われていた可能性があると発表しました。この取引は、広告主が存在しない架空の案件を複数の代理店間で循環させるスキームにより、売上高や営業利益を過大に計上していたものです。問題の発覚は2025年12月で、一部代理店からの入金遅延をきっかけに社内調査で判明しました。
対象期間と関与者の詳細
架空取引は、ジー・プランが広告代理事業を開始した2017年度から、2026年3月期第3四半期までの約9年間に及びます。ビッグローブは2022年度から事業に参加していました。関与が確認されたのはジー・プランの社員2名で、これらの社員はビッグローブにも兼務で出向していました。KDDI本体の社員の関与は確認されていません。
架空取引のスキーム
取引の仕組みは、広告代理店A社からジー・プランに架空の広告案件を委託し、ジー・プランからビッグローブに再委託、その後ビッグローブから別の代理店B社に再々委託した上で、B社からA社へ資金を還流させるという循環型でした。これにより、取引高が雪だるま式に増加し、売上高が過大に計上されたほか、過程で発生する手数料が外部の代理店に支払われていました。
業績への影響
KDDIは、現時点で全取引を架空とみなして影響額を算出しています。調査結果により金額が変更される可能性があります。売上高の過大計上額は累計で最大約2460億円、営業利益の過大計上額は累計で最大約500億円に上ります。2026年3月期第3四半期分だけでも、売上高で約680億円、営業利益で約250億円の取り消しが必要となります。
外部流出額の詳細
手数料名目での外部流出額は累計で最大約330億円と推定されています。内訳は2024年3月期以前が約50億円、2025年3月期が約110億円、2026年3月期第3四半期までが約170億円となっています。この流出分については回収に努めますが、回収見込みが薄いため損失として引当金を計上する見込みです。
KDDIの対応と今後の予定
KDDIは1月に外部弁護士らによる特別調査委員会を設置し、調査を継続中です。委員会の報告書は3月末にまとまる予定で、これを受けて過年度決算の修正を行います。2025年4~12月期連結決算の発表は当初6日予定でしたが、調査完了まで延期され、3月末をめどに公表します。
