確定拠出年金とは
確定拠出年金(DC)は、企業または個人が毎月一定額の掛金を拠出し、加入者自身が運用商品を選択して資産を運用する私的年金制度です。運用成果によって将来の給付額が決定されるのが特徴で、公的年金の上乗せとして老後の資産形成を目的としています。この制度は、掛金額が確定していることから「確定拠出年金」と呼ばれます。
確定拠出年金の仕組み
加入者は、拠出された掛金を金融機関が提供する運用商品(投資信託、預金、保険など)から選び、運用します。運用益は再投資され、60歳以降に一時金または年金として受け取ることが可能です。原則として60歳になるまで資産を引き出すことはできません。
確定拠出年金の種類
確定拠出年金は、主に企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類に分けられます。それぞれの加入対象、掛金の拠出方法、運用管理が異なります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)
企業が導入する制度で、企業が掛金を拠出します。従業員は企業が選定した運用商品から選択して運用します。掛金の拠出方法には、企業のみが拠出するタイプ、従業員が追加拠出するマッチング拠出タイプ、従業員の給与から拠出する選択制タイプの3つがあります。掛金の上限は月額55,000円(他の企業年金併用時は27,500円)です。企業にとっては福利厚生として活用でき、従業員の資産形成を支援します。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人が自ら加入し、掛金を拠出する制度です。企業型DCに加入していない会社員、自営業者、公務員、主婦などが対象で、加入範囲が広いのが特徴です。掛金は加入者自身が負担し、運用商品の選択も個人で行います。企業型DCと併用可能な場合もあります。
確定拠出年金のメリット
確定拠出年金は、税制優遇が充実しており、長期的な資産形成に適しています。また、加入者自身が運用を選択できる柔軟性があります。
税制優遇の詳細
掛金拠出時:企業型DCの場合、企業負担分は損金算入可能で非課税。iDeCoの場合、掛金全額が所得控除対象。運用時:運用益が非課税。受給時:一時金受取時は退職所得控除、年金受取時は公的年金等控除が適用されます。これにより、通常の投資より税負担が軽減されます。
その他のメリット
企業型DCでは、企業が掛金を負担するため、従業員の負担が少なく、退職金の平準化が可能。iDeCoでは、個人の節税効果が高く、運用を通じて金融リテラシーが向上します。また、社長や役員も加入可能です。
確定拠出年金のデメリット
運用成果次第で給付額が変動するため、リスクを伴います。また、制度の制約もあります。
運用リスクと制約
市場変動により元本割れの可能性があり、損失は企業が補填しません。60歳まで引き出し不可のため、急な資金需要に対応できません。また、手数料(口座管理料など)が発生する場合があります。
企業側のデメリット
企業型DCの導入には規約作成や従業員教育のコストがかかり、運用商品の選定責任が生じます。選択制DCの場合、従業員の給与減が社会保険料や厚生年金に影響する可能性があります。
