JMIC報告:ホルムズ海峡 通航数1桁台に急落 クリティカル脅威レベル継続中

合同海洋情報センター(JMIC)の2026年3月6日付レポート概要

合同海洋情報センター(JMIC)は、2026年3月6日付のレポートで、ホルムズ海峡における船舶通航状況を分析し、商業船舶の通航がほぼ完全に停止している状態にあると報告しています。このレポートは、中東地域の緊張が高まる中で、海上輸送の重要な動脈である同海峡の現状を明らかにするものです。

通航状況の詳細

レポートによると、ホルムズ海峡の通航数は歴史的な平均値である1日約138隻から大幅に減少しており、最近の船舶信号(AIS)の検証では1桁台に落ち込んでいます。過去24時間に確認された商業目的の通航はわずか2件で、いずれも原油タンカーではなく貨物船でした。この減少は、週末に同海峡が事実上閉鎖された以降で最も低い水準を示しています。

背景と脅威評価

JMICの分析では、ホルムズ海峡周辺でミサイルや無人航空機(UAV)による脅威が継続しており、GNSS/GPSの干渉やAISの異常も報告されています。これらの要因が通航の抑制につながっていますが、公式な法的閉鎖は宣言されていない点が強調されています。脅威レベルは「クリティカル」と評価され、これは攻撃がほぼ確実であることを示します。具体的な脅威要素として、ミサイル、UAV、スタンドオフ攻撃のほか、潜在的な海雷の展開や付着爆発物(例: リンペットマインや水上爆弾搭載無人艇)のリスクが挙げられています。また、GNSS/GPS干渉とAIS異常は、航行の複雑化を招く要因として位置づけられています。船舶は移動を維持し、予測可能なパターンを避けるよう推奨されています。

脅威評価の詳細分析

JMICの脅威評価スケールでは、「クリティカル」は低(Low)、中程度(Moderate)、実質的(Substantial)、深刻(Severe)、クリティカル(Critical)の最高レベルに該当し、確認されたミサイルやドローン攻撃に基づいて設定されています。この評価は、ガルフ・オブ・オマーン、ムサンダム接近海域、UAE沿岸海域での複数の商業船舶に対する攻撃を背景に、深刻(Severe)からクリティカルへ引き上げられました。脅威の範囲はホルムズ海峡、ガルフ・オブ・オマーン、アラビア湾に及び、空中からのミサイルやUAV攻撃のほか、誤認による巻き添えリスクや、停泊・漂流時の脆弱性が指摘されています。さらに、電子干渉(GNSS/GPS、AIS、VHF)が航行安全を脅かすリスク増幅要因として分析されています。

関連する船舶インシデント

レポートは、3月1日以降に発生した複数の船舶攻撃を言及しており、米国関連の船舶1隻を除き、他の攻撃は米国やイスラエル関連のものではないと指摘しています。海雷の展開や爆発は確認されていません。また、港湾施設への大規模攻撃は過去24時間で確認されていないものの、バーレーンのBAPCO施設での火災の兆候がオープンソースで示されています。

港湾と停泊地の混雑リスク

アラビア湾の港湾では多くの船舶が停泊や漂流状態にあり、混雑が二次的な航行リスクを生んでいます。JMICは、米国やイスラエル関連の船舶に対し、停泊時間を最小限に抑えることを勧めています。この状況は、EMIやAISのスプーフィングによって複雑化しています。

今後の見通し

レポートは、次の24~48時間で空中脅威が引き続き高まる可能性を指摘し、民間船舶への無差別攻撃のリスクを警告しています。海運会社に対し、継続的なリスク評価とUKMTOなどの機関との連携を強く推奨しています。