JFAの日本代表イメージ画像「太極旗に酷似」問題の概要

日本サッカー協会の日本代表イメージ画像問題の概要

2025年11月、日本サッカー協会(JFA)が発表したサッカー日本代表の宣伝用イメージ画像が、韓国の国旗である太極旗に酷似しているとして、SNS上で大きな議論を呼びました。この問題は、JFAが公式アンバサダーを起用したキャンペーン画像のデザインに起因し、国内で批判的な反応が急速に広がりました。JFAは意図的なものではないと否定した上で、画像を差し替える対応を取っています。以下では、事件の経緯を時系列で詳しくご紹介します。

キャンペーンの発表と画像公開

2025年11月10日、JFAとアディダスは「JFA・アディダス『サッカー日本代表 2026』キャンペーン共同発表会」を開催し、サッカー日本代表の公式アンバサダーとして音楽グループ「JI BLUE(ジェイアイ ブルー)」を起用しました。これに伴い、JFAの公式ウェブサイトでキャンペーン用のキービジュアル画像を公開しました。この画像は、JI BLUEのメンバーをモデルとし、白地に赤い円形の図柄(日の丸を思わせるデザイン)を基調に、青色のユニフォームを着用したメンバーを配置しています。周囲の四隅には3片の短冊状に切り分けた写真や図柄があしらわれ、全体の配色は赤、青、黒を主としたものでした。このデザインは、2025年3月にJFAが作成・発表した日本代表監督・選手の肖像画像と同一のコンセプトに基づいています。

SNSでの反応と問題の拡大

画像公開直後から、X(旧Twitter)などのSNS上で「太極旗にそっくりだ」「赤、青、黒の配色と四隅の3片配置が韓国国旗を連想させる」といった指摘が相次ぎました。具体的な反応としては、「日本を代表するチームの画像なのに外国の国旗を想起させるのはおかしい」「意図していなくてもそう見えることが問題だ」といった批判的な声が広がり、太極旗との比較画像が投稿されるなど、議論が急速に炎上しました。これらの反応は主に日本国内のユーザーから発せられ、問題の起点となりました。

JFAの初期対応と川淵三郎相談役の動き

2025年11月13日、JFAは産経新聞の取材に対し文書で回答を発表し、「デザインを作成するにあたり、(太極旗をイメージさせる)意図はありません」と明確に否定しました。また、画像が3月のものと同一コンセプトであることを説明しています。同日、元会長で現相談役の川淵三郎氏(88)が自身のXアカウントで協会側に「善処」を申し入れたことを公表しました。川淵氏は「今広報に善処するよう連絡した」と投稿し、さらに「広報部長がストップする旨連絡ありました」と追記して、画像使用の中止に向けた対応が取られたことを明らかにしました。これにより、JFA内部で迅速な対応が進められたことがわかります。

画像の変更と最終声明

11月14日、JFAは公式ウェブサイトの特設ページから元の画像を削除し、新たなキービジュアルに差し替えました。新画像は、JI BLUEのメンバーが一列に並んでポーズを取るシンプルな構成のものとなっています。変更の理由について、JFAは公式声明で「JI BLUEの皆さんとの取り組みの意図や目的をより正確にお伝えしていくために検討を重ねた結果です」と説明しており、「意図や目的を正確に伝えるため」としています。この対応は、SNSでの反応を踏まえたリスク回避策といえます。

韓国側の反応

韓国主要メディアでは、この問題を日本国内のSNS反応として淡々と報じています。例えば朝鮮日報は「イメージが公開された後、現地オンラインでは該当ポスターが『太極旗を連想させる』という指摘が出た」と伝えていますが、韓国側からの公式抗議や激しい批判は確認されていません。全体として、韓国報道は冷静なトーンを保ち、日本側の議論を中立的に紹介する形となっています。