アメリカがイランを「不当拘束支援国」に指定 米国民に渡航中止を強く勧告

米国務省、イランを「不当拘束支援国」に指定

米国務省は2026年2月27日、イランを「不当拘束支援国(State Sponsor of Wrongful Detention)」に指定したことを発表しました。この指定に伴い、米国民に対し「いかなる理由であれイランに渡航すべきではない」と明確に勧告し、イラン国内に滞在中の米国人に対しては「直ちに退去する」よう改めて呼びかけました。

「不当拘束支援国」とは

「不当拘束支援国」とは、米国政府が外国政府による米国国民の不当拘束(政治的レバレッジとしての恣意的逮捕・拘束)を直接行ったり支援したりする場合に、米国務省が指定する新しい枠組みです。2025年秋にトランプ大統領が発令した「国外における米国国民の不当拘束から保護するための執行命令」と、2025年に成立した「不当拘束対策法」に基づいています。指定されると、経済制裁、ビザ制限、輸出規制、米国パスポートのイランへの渡航・通過に関する地理的制限などの追加措置が適用される可能性があります。テロ支援国家指定と同様に、相手国への強い抑止力として機能するものです。

2026年2月27日現在、この指定を受けたのはイランが初めてであり、他の国への指定はまだ行われていません。ただし、報道ではロシア、アフガニスタン、中国、北朝鮮、ベネズエラなどが米国国民の不当拘束事例があるとして、将来的な指定候補として名前が挙がっています。

マルコ・ルビオ国務長官の声明全文の要点

マルコ・ルビオ国務長官は同日付の公式声明で次のように述べています。

「イラン政権は47年前に権力を掌握した際、米国大使館職員の人質事件を支持することで支配を固めました。以後数十年間、イランは無実の米国人や他国民を政治的レバレッジとして残虐に拘束し続けています。この忌まわしい慣行は終わらせなければなりません。」

「いかなる米国人も、いかなる理由であれイランに渡航すべきではありません。現在イランにいる米国人は直ちに退去してください。」

声明はさらに、イランが不当拘束を停止し、拘束されている全ての米国人を解放すれば、今回の指定および関連措置を終了する可能性があると指摘しています。

指定の法的根拠と背景

今回の指定は、トランプ大統領が昨年秋に発令した執行命令と2025年の不当拘束対策法に基づいています。これらの法令により国務省に指定権限が与えられ、イランが長年にわたり人質外交を続けている実態を理由に認定されました。

イランの渡航勧告レベルと既存の警告

イランは米国務省の渡航勧告において既に最高レベルの「レベル4:渡航中止(Do Not Travel)」に指定されています(最終発行日:2025年12月5日)。主なリスクとして、テロリズム、市民不安、誘拐、米国市民の恣意的逮捕および不当拘束が挙げられています。今回の声明は、これらの既存警告を改めて強調・強化する内容となっています。

追加措置の可能性

声明では、イランが不当拘束の慣行を止めない場合、「米国パスポートのイランへの渡航・通過・帰国に関する地理的制限」など追加措置を検討せざるを得ないと警告しています。ただし、これらはあくまで将来の可能性として言及されたもので、現時点で新たな制限が発動されたわけではありません。

米国務省は引き続き、米国民の安全を最優先に情報提供を行っています。イランへの渡航を検討している米国人は、公式の渡航勧告ページ(travel.state.gov)を確認し、最新情報を入手するよう求められています。