内閣府が公表した2025年7-9月期四半期別GDP速報の概要
内閣府は2025年(令和7年)11月17日に、2025年7-9月期の四半期別GDP速報(1次速報値)を公表しました。この速報値は、国内総生産(GDP)の季節調整済み実質値に基づき、前期(4-6月期)比で0.4%減、年率換算で1.8%減と、6四半期ぶりのマイナス成長を示しています。この結果は、トランプ米政権の高関税措置の影響による輸出の落ち込みが主な要因として挙げられます。
実質GDP成長率の詳細
実質GDP(物価変動の影響を除いた季節調整済み値)は、前期比0.4%減となりました。これを年率換算すると1.8%減となり、2024年1-3月期以来のマイナス成長です。内閣府の公表資料によると、このマイナス幅は輸出入の影響が大きく、外需全体の寄与度が成長を押し下げています。
主要コンポーネントの変動
内需と外需の内訳は以下の通りです。
- 個人消費(民間最終消費支出): 前期比で微増が見込まれ、内需の支えとなりましたが、全体成長への寄与は限定的でした。
- 設備投資(総固定資本形成): 前期比で横ばいからやや減少傾向。企業による投資意欲の減退が影響しています。
- 輸出: 前期比で大幅減、特に自動車関連の対米輸出がトランプ関税の影響で落ち込みました。これがGDP全体のマイナス要因の中心です。
- 輸入: 前期比で減少したため、外需(輸出-輸入)の寄与度を緩和する効果を発揮しました。
全体として、外需の寄与度がマイナス、内需の寄与度も弱含みとなり、成長率を押し下げました。
公表の背景と推計方法の変更点
今回の速報値では、推計方法に一部変更が加えられています。内閣府の資料によると、2025年7-9月期のデータ収集を強化し、貿易統計の即時反映を進めた結果、より精度の高い数値が得られました。これにより、従来の速報値と比較して輸出入の変動が明確に捕捉されています。
今後の見通しに関する公表内容
内閣府は、この速報値を基に今後の経済動向を注視すると述べています。2次速報値は2025年12月9日頃に予定されており、追加データによる修正の可能性があります。詳細な数値表やグラフは、内閣府の経済社会総合研究所ウェブサイトで確認可能です。
