FFRIセキュリティ株価急騰:サイバー攻撃増加の影響を受けて

FFRIセキュリティ株価急騰:サイバー攻撃増加で13%超の上昇、12,230円到達

2025年10月20日午前中、FFRIセキュリティ(株コード:3692)の株価が急騰し、リアルタイムで12,230円を記録しました。前日比+1,470円(+13.66%)と大幅に上昇しており、当日の高値は13,230円に達しています。この急騰の背景には、国内大手企業に対するランサムウェア攻撃の相次ぐ発生があり、サイバーセキュリティ需要の高まりが投資家心理を刺激しています。特に、今日のアスクル被害報道が直接的なきっかけとなり、X(旧Twitter)上では「超絶材料」「ストップ高かも」との興奮の声が広がっています。

直近の株価推移を振り返ると、9月末のアサヒHD事件直後から上昇基調が強まり、10月中旬には10,000円台を回復。今日の出来高は1,456,300株と活況を呈しており、短期的な投機需要も加わっています。同社の主力製品「FFRI yarai」の高精度なマルウェア検知技術が、再評価される中でのこの動きは、セキュリティ市場の成長を象徴しています。

日本企業を襲うサイバー攻撃の急増:アサヒHDからアスクルまで

2025年に入り、日本国内の大手企業に対するサイバー攻撃が相次いで発生しています。特に、ランサムウェアと呼ばれる身代金要求型のマルウェアによる攻撃が深刻化しており、企業の業務停止やデータ漏洩のリスクを高めています。このような状況は、社会インフラやサプライチェーン全体に波及する可能性があり、セキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにしています。

アサヒグループホールディングス(アサヒHD)の被害事例

2025年9月29日、アサヒグループホールディングス(アサヒHD)はサイバー攻撃を受け、システム障害が発生したことを発表しました。この攻撃はランサムウェアによるもので、国内全30工場の生産を一時停止せざるを得ませんでした。飲料や食品の受注・出荷業務が停止した結果、コンビニエンスストアや外食チェーンにまで影響が及び、主製品である「スーパードライ」などの品薄状態が続きました。

同社は10月3日、攻撃の詳細を公表し、サーバーがランサムウェアに感染したことを確認。被害拡大を防ぐため詳細を控えましたが、個人情報の流出可能性も指摘されています。さらに、10月14日には2025年1〜9月期の決算発表を延期する事態に発展。経理データのアクセス障害が原因で、業績への影響を精査中です。この事件は、サイバー攻撃が企業の財務面にまで及ぶ典型例として注目を集めました。

アスクルの最新被害:ランサムウェア感染による業務全面停止

アサヒHDの事件からわずか3週間後の2025年10月19日、今度はオフィス用品通販大手のASKULを運営するアスクルがサイバー攻撃の被害に遭いました。同社はランサムウェア感染によるシステム障害を公表し、法人向けサービス「ASKUL」、個人向け通販「LOHACO」、および「ソロエルアリーナ」での受注・出荷業務を全面停止。すでに受け付けた注文は一律キャンセル扱いとなりました。

攻撃は同日午前に検知され、基幹システムの一部が暗号化された状態です。復旧作業は社内外の専門機関と連携して進められていますが、現時点で目途は立っていません。顧客情報や取引先データの流出有無については調査中であり、影響範囲の拡大が懸念されています。この事件は、アサヒHDに続く大手通販企業の被害として、国内サプライチェーンの脆弱性を露呈しました。

今後の見通しと投資家への示唆

警察庁のデータによると、2025年上半期のランサムウェア被害報告件数は116件に上り、情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威2025」でもランサムウェアが最上位の脅威に位置づけられています。このトレンドが続けば、FFRIセキュリティのような専門企業への需要はさらに拡大するでしょう。一方で、株価の急騰はボラティリティを伴うため、投資家は業績発表や政治動向(例:高市早苗氏関連の国策テーマ)を注視する必要があります。

サイバー攻撃の増加は、単なる企業リスクではなく、国家レベルのセキュリティ課題です。FFRIセキュリティの株価急騰は、この現実を象徴する出来事と言えるでしょう。