日産自動車、新型「エルグランド」世界初公開

日産自動車、新型「エルグランド」世界初公開! プレミアムミニバンの新時代が幕を開ける

2025年10月29日、日産自動車は「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025)のプレスデーにおいて、約15年ぶりの全面刷新モデルとなる新型「エルグランド」を世界初公開しました。このプレミアムミニバンの元祖として1997年に登場したエルグランドは、広い室内空間と高級感あふれる内装で多くのファンを魅了してきましたが、現行3代目モデル(2010年発売)から長らく更新を待たれていました。新モデルは、最新技術を満載し、「プレミアムツーリングミニバン」として進化。2026年夏の発売を予定しており、日産の日本市場復活の象徴として注目を集めています。

新型「エルグランド」公開|日産

デザインの革新:リニアモーターカーをイメージした威風堂々たるスタイリング

新型エルグランドのエクステリアは、「The private MAGREV(リニアモーターカー)」をデザインコンセプトに据え、非日常の旅の高揚感を表現した特別な佇まいが特徴です。フロントグリルには日本の伝統工芸「組子」をモチーフとした斬新なパターンを採用し、ツブツブとした独特の「ツブツブ顔」が話題を呼んでいます。サイドビューでは、大きな面構成と緻密なディテールのコントラストが日本庭園の「間」と「整」の美学を体現。全体として威厳とダイナミックなプレゼンスを兼ね備え、現行モデルからより存在感のあるボディに仕上がっています。

ボディサイズは全長4,995mm×全幅1,895mm×全高1,975mm(日産測定値)と、現行モデル(全長4,965-4,975mm×全幅1,850mm×全高1,815mm)から全長30mm、全幅45mm、全高160mm拡大。ホイールベースは3,000mmを維持しつつ、より低重心でスポーティーなシルエットを追求。LEDヘッドライトや大型ホイールも標準装備され、高級感を高めています。このデザインは、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」への対抗馬として、ファッション性と実用性を両立させた点が評価されています。

パワートレインと走行性能:第3世代e-POWERで静粛性とパワーを両立

新型エルグランドの心臓部には、日産の最新ハイブリッドシステム「第3世代e-POWER」を初採用。1.5リッターエンジンを発電専用とし、モーター駆動によるEVライクな加速を実現します。出力は未公表ですが、従来のV6エンジン(最大280馬力)からシフトし、燃費と環境性能を大幅向上。賛否両論を呼ぶ1.5Lエンジンながら、e-POWERの特性でトルクフルな走りを約束します。

さらに、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」とインテリジェントダイナミックサスペンション(IDS)を搭載。e-4ORCEは前後輪のトルクを個別に制御し、コーナリング時の安定性を高め、IDSは路面状況に応じてダンピングを調整して快適性を向上させます。これにより、「プレミアムツーリングミニバン」らしい上質な乗り心地とドライビングプレジャーを提供。現行モデルのハイウェイスターシリーズを超える走行性能が期待されます。

インテリアと快適装備:上質空間の進化でファミリーから法人利用まで対応

インテリアは、広々としたキャビンと先進的な素材使いが光ります。全高の拡大により室内高も向上し、3列目シートの居住性が大幅に改善。シートは長時間でも疲れにくい高級レザー仕様を想定し、VIPグレードではオットマン付きのラグジュアリーシートをオプションで用意。インフォテインメントシステムは最新の12.3インチディスプレイを採用し、Apple CarPlay/Android Auto対応で利便性を高めています。

安全装備として、プロパイロット2.0(ハンズオフ運転支援)や360度カメラ、自動ブレーキを標準化。法人向け需要も見据え、静粛性と快適性を重視した設計です。現行モデルで法人利用が拡大していたエルグランドの強みを、さらに強化した形となります。

発売予定と市場への影響:日産復活の切り札として期待大

新型エルグランドの発売は2026年夏を予定。価格は現行の約400万円台からスタートする見込みで、e-POWERの採用により燃費の良さが購買意欲を刺激するでしょう。JMS2025での公開直後からSNSでは「外装がカッコいい」「アルファード打倒!」という声が殺到し、問い合わせも急増。日産は2026年度までに日本市場で4車種を投入する計画で、エルグランドはその先陣を切るモデルです。

この初公開は、日産のブランド再生に向けた重要な一歩。プレミアムミニバン市場の再定義を予感させる新型エルグランドの今後の詳細に、ますます注目が集まります。