ダイハツ、電動車いす「e-SNEAKER」を全国発売
ダイハツ工業株式会社は、2025年8月25日より、新たな歩行領域モビリティである電動車いす「e-SNEAKER(イースニーカー)」を全国一斉に発売しました。この電動カートは、「胸張れる 軽快 安心モビリティ」をコンセプトに開発され、近距離移動の新たな選択肢として注目を集めています。
e-SNEAKER ダイハツ公式
開発の背景と目的
近年、地方部での交通機関の減便や廃止、免許返納者の増加により、近距離移動をサポートするモビリティの需要が高まっています。ダイハツは、「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」という企業理念のもと、アクティブシニアをはじめとする幅広い層が、買い物や友人との外出など「ちょっと先」の移動を気軽に楽しめるモビリティを目指して「e-SNEAKER」を開発しました。
「e-SNEAKER」の主な特長
「e-SNEAKER」は、快適性、安全性、操作性を追求した1人乗り電動カートです。以下にその主な特長を紹介します。
1. スタイリッシュなデザインと高い視認性
「e-SNEAKER」は、目線が高い洗練されたデザインを採用。街中でも胸を張って乗れるスタイリッシュな外観が特徴です。視認性の高さにより、利用者は周囲の状況を把握しやすく、安心して移動できます。
2. 安全性を高める充実の機能
安全面では、障害物検知機能や接触停止機能を搭載。障害物を検知すると自動的に減速し、接触時には停止する仕組みにより、安心して利用できます。また、大径タイヤを採用することで安定した走行性能を実現しています。
3. 簡単操作と軽量バッテリー
誰でも簡単に運転できるシンプルな操作性を備え、初心者でも扱いやすい設計です。さらに、脱着式のリチウムイオンバッテリーを採用することで、充電場所を選ばず、軽量で持ち運びが容易です。これにより、利用者の利便性が大きく向上しています。
4. ディーラーオプションでカスタマイズ可能
外出意欲をさらに高めるディーラーオプションが用意されており、利用者のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。これにより、個々のライフスタイルに合わせた使い方が実現します。
大阪・関西万博での実績
「e-SNEAKER」は、2025年4月13日から10月13日まで開催された大阪・関西万博の「スマートモビリティ万博・パーソナルモビリティ」において、150台が提供され、長距離歩行が困難な来場者の移動をサポートしました。万博仕様の「e-SNEAKER」は、障害物検知機能や接触停止機能などを搭載し、利用者から高い評価を受けました。また、「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」とのコラボレーションによる特別展示も話題となり、ガンダムをイメージしたデザインの車両が注目を集めました。
技術仕様
「e-SNEAKER」の主な仕様は以下の通りです:
- サイズ:全長1,390mm × 全幅645mm × 全高985mm
- 重量:72kg
- 最大荷重:荷物を含めて100kg
- 最高時速:4km/h
- 航続距離:1回の充電で12km
- バッテリー:脱着式リチウムイオンバッテリー
軽量で運びやすく、充電の柔軟性が高い設計が特徴です。
市場参入と今後の展望
ダイハツは、電動車いす市場に本格参入し、年間500台の販売を目指しています。万博での実証実験を通じて得たフィードバックを反映し、他施設やテーマパークでの展開を視野に入れています。スズキやトヨタ、WHILLなどが競合する電動車いす市場において、ダイハツはコンパクトカーで培った「コンパクトだけど快適」というDNAを活かし、独自のポジションを築くことを目指しています。
ダイハツの「e-SNEAKER」は、近距離移動の新たな可能性を広げるモビリティとして、アクティブな生活をサポートします。万博での成功を背景に、今後の展開にも期待が高まります。