・同性婚認めない規定は合憲
・同性婚を認めない国は世界でどれくらい?
東京高裁、同性婚を認めない民法・戸籍法の規定を「合憲」と判断
2025年11月28日、東京高等裁判所は、同性婚を認めない現行の民法や戸籍法の規定が憲法に違反しない「合憲」であると判断する判決を言い渡しました。この判決は、全国で進行中の同性婚訴訟の二審において、初めての「合憲」判断となったものです。原告である性的マイノリティー8人による国家賠償請求訴訟の控訴審で、裁判所は原告側の主張を退けました。
判決の背景と経緯
この訴訟は、2021年に提訴された「東京第2次同性婚訴訟」で、原告らは同性婚が認められない法制度が憲法14条(法の下の平等)や24条(婚姻の自由)に違反し、国家賠償法上の違法行為に当たると主張していました。一審の東京地裁は2023年に原告側の請求を棄却しており、今回の二審判決は一審を支持する形となりました。
全国では、同性婚をめぐる訴訟が札幌、仙台、東京(第1次)、大阪、名古屋、福岡の6地裁で提訴されており、二審段階ではこれまでに5件の高裁判決が出ていましたが、いずれも「違憲」と判断されていました。東京第2次訴訟の判決により、二審の判決がすべて出揃ったことになります。今後、これらの判決は最高裁判所で統一的な判断が下される見通しです。
判決の主な内容と要旨
判決の要旨は以下の通りです。
- 婚姻の自由の保障範囲:憲法24条が保障する「婚姻の自由」は、異性間のものであり、同性婚は憲法上保障されていない。現行法が同性婚を認めていないことは、憲法違反ではない。
- 法の下の平等:同性婚を認めない規定は、合理的な差別でなく、婚姻制度の設計は国会に広範な裁量がある。原告らの権利侵害は認められない。
- 代替手段の存在:同性カップルはパートナーシップ制度や契約により、一定の権利保護が可能である。
- 国家賠償請求:法制度の違法性がないため、原告らの損害賠償請求は棄却。
裁判長の東亜由美氏は、「婚姻制度の設計は国会に委ねられるべき」と指摘し、立法府の役割を強調しました。この判断は、他の高裁判決と対立する点が多く、最高裁での審理が注目されます。
社会的影響と今後の展望
この判決は、同性婚の実現に向けた運動に一時的な打撃を与える可能性がありますが、全国の「違憲」判決が多数を占める中、最高裁が最終的な方向性を示すことが期待されています。原告側は判決に不服として上告する方針を示しています。
本記事は、判決当日の報道に基づく事実をまとめています。詳細は各報道機関の記事を参照してください。
同性婚を認めない国は世界でどれくらい?
2025年11月現在、日本は同性婚を全国レベルで認めていません。この法制度は、性的マイノリティーの権利保障をめぐる国際的な議論の中で注目されています。本記事では、世界の同性婚認可状況を基に、日本がこれに比べてどの程度特殊かを考察します。
世界全体の同性婚認可状況
2025年時点で、同性婚が合法的に実施・承認されている国・地域は38カ国に上ります。これらの地域の総人口は約15億人で、世界人口の約20%を占めています。最も最近の認可国はタイで、2025年1月23日に法施行されました。
一方、35カ国では憲法で同性婚を明示的に禁止する規定が存在し(2023年時点のデータ)、これらの多くは近年導入されたものです。同性婚認可国では、共同養子縁組の権利が含まれる場合が大半ですが、すべてで保証されているわけではありません。
地域別の同性婚認可状況
認可状況は地域によって大きく異なり、欧米中心に進展しています。以下に主な地域の概要を示します。
- ヨーロッパ: アンドラ、オーストリア、ベルギー、デンマーク(グリーンランド・フェロー諸島を含む)、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスで認可されています。これらは主に西欧諸国で、東欧の一部(例:イタリア、チェコ共和国)では婚姻ではなく公民権連合が認められています。
- アメリカ大陸: アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、エクアドル、メキシコ(全国的)、アメリカ合衆国、ウルグアイで認可されています。
- アジア: 台湾とタイの2地域のみで認可されています。中国、インド、インドネシア、日本、韓国、ベトナムなどでは認められていません。
- アフリカ: 南アフリカのみで認可されており、大陸全体では例外的な位置づけです。
- オセアニア: オーストラリアとニュージーランドで認可されています。
これらのデータから、同性婚認可は欧米中心に集中し、アジアやアフリカでは極めて限定的であることがわかります。
日本と先進国・G7諸国との比較
日本は同性婚を全国的に認めていませんが、一部の自治体でパートナーシップ宣誓制度が導入されており、病院訪問権などの限定的な権利が保障されています。これに対し、G7諸国(アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、日本)では、日本が同性婚を認めていない唯一の国です。イタリアは2016年以来、公民権連合を認めていますが、婚姻そのものは承認していません。
他のG7国(アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス)は同性婚を合法化しており、日本はこれらの先進国グループ内で特異な位置を占めています。アジア地域に限定すると、日本は台湾・タイ以外の主要先進国として、認可の遅れが顕著です。
日本状況の国際的文脈
上記の事実から、日本は世界全体では同性婚不認可国が多数派であるため「通常」ですが、先進国やG7の文脈では「特殊」な位置づけです。38カ国中、日本を含む非認可国は約150カ国以上を数えますが、経済大国としての役割を考慮すると、この差異は国際人権議論でしばしば指摘されます。
本記事の情報は2025年11月時点の公開データに基づきます。最新の法改正については、各国政府の公式発表を確認してください。
