デンソーのローム買収提案が明らかになった経緯
2026年3月6日、日本経済新聞がデンソーが半導体大手のロームに対して買収を提案したと報じました。この報道により、提案の存在が明らかになりました。買収額は1兆3000億円規模で、株式公開買い付け(TOB)により全株の取得を目指す内容とみられています。
報道の詳細内容
報道によると、デンソーはロームの買収を通じて、電気自動車(EV)やデータセンターの電力制御に用いられるパワー半導体の分野で国内の大規模勢力を形成することを目指しています。これにより、パワー半導体業界の再編がM&A(合併・買収)を用いた淘汰の段階に入ると指摘されています。
両社の過去の関係
デンソーとロームは2025年5月8日に、半導体分野での戦略的パートナーシップ構築に向けた基本合意を公表していました。また、2025年9月末時点でデンソーはローム株式の4.98%を保有しています。
デンソーの公式対応
デンソーは同日、一部報道機関による買収提案に関する報道について、内容は自社が発表したものではないと公表しました。同社はロームとの間でローム株式の取得を含む様々な戦略的な選択肢を検討していますが、現時点で具体的に決定した事実はなく、開示すべき事実が決定した場合には速やかに公表すると述べています。
ロームの公式対応
ロームも同日、デンソーから株式取得の提案を受領した事実を認めつつ、現時点で具体的に決定した事実はなく、開示が必要な決定をした場合には速やかに公表すると発表しています。
市場の反応
日本経済新聞の報道が発表された2026年3月6日、ローム株(6963)は後場からストップ高買い気配となり、制限値幅の上限(ストップ高水準)で比例配分されました。具体的には前日比500円高の3243円カイ気配となるなど、買収提案によるTOBプレミアム期待やパワー半導体事業のシナジー効果への期待から急騰しました。東証は同日、ローム株について非公開化に関する不明瞭な情報が生じているとして注意喚起情報を出しています。
一方、デンソー株(6902)は売りに押され、一時5.6%安の1986円を付けるなど下落しました。買収提案による資金負担や不確実性への懸念が背景にあるとみられています。また、デンソーとパワー半導体事業で協業関係にある富士電機(6504)も一時7%超下落するなど、関連銘柄に影響が及んでいます。
大引け時点ではロームはストップ高水準で比例配分され、デンソーは売りに押された状態で取引を終えています。
