クックパッドの衰退と株価暴落:利用者減少の主な理由

クックパッドの衰退の概要

クックパッドは、料理レシピの共有サイトとしてかつて人気を博しました。しかし、近年は業績が悪化しています。売上収益は2016年12月期の約168億円から2025年12月期の53億3600万円へと大幅に減少しています。有料プレミアムサービス会員数は減少傾向が続き、2025年第3四半期末時点で130.7万人(前四半期比1.9%減)となっています。利用者数もピーク時から大幅に減少し、株価は2015年の高値約2,880円から2026年2月時点で151円前後まで下落しています。

利用者減少の主な理由

レシピの過多と選択の困難

クックパッドの最大の強みであった膨大なレシピ数が、逆に弱みとなっています。レシピ検索が面倒と感じる利用者が多く、選択のパラドックスが生じ、満足度を低下させています。また、探すより提案されたいという意見が多く、選択肢の多さが負担となっています。

有料サービスの制限と無料利用者の離脱

人気順やブックマークなどの便利な検索機能が有料会員限定となり、無料利用者には新着順のみが表示されるため使いにくくなりました。これにより、無料ユーザーの離脱が進んでいます。有料プレミアムサービス会員数は減少の一途をたどっています。

レシピの質低下とゴミレシピの増加

素人投稿のレシピが多く、類似レシピの氾濫、パクリレシピ、または実用性の低いネタレシピが目立っています。失敗レシピや健康被害の恐れがあるものも混在しており、信頼性が低下しています。

レシピ投稿者のメリット不足と質低下の連鎖

クックパッドでは、レシピを投稿しても投稿者に金銭的な報酬や直接的な利益還元がほぼありません。殿堂入りやランキング上位になっても、プラットフォーム側が有料会員費や広告収益を独占する構造のため、投稿者のモチベーションが低下しています。この結果、質の高いレシピを生み出すクリエイターが離脱し、良いレシピがますます生まれにくくなっています。一方、個人でYouTubeやTikTokにレシピ動画を投稿すれば、広告収入やスポンサー案件などの収益化が見込めます。この収益機会の差が、優秀な料理家を他プラットフォームへ流出させ、クックパッドのコンテンツ質低下を加速させています。

競合サービスの台頭

レシピサイトの乱立、料理系YouTuberの台頭、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームの普及が利用者を奪っています。また、AI(例: ChatGPT)による提案や、味の素・キッコーマンなどの公式レシピサイトが無料で利用可能となったことで、クックパッドの優位性が失われています。デリッシュキッチンやクラシルなどの動画レシピサービスが急成長しています。

株価暴落の背景

業績悪化と赤字からの回復傾向

長年減収減益が続いていましたが、2025年12月期は売上収益53億3600万円(前期比9.2%減)、営業利益2億6400万円(前期比60.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益7億4100万円(前期比44.4%減)となりました。有価証券運用による金融収益増加で税引前利益は前期並みを維持していますが、プレミアムサービス会員数の減少が主因です。2026年12月期の業績予想は非開示となっています。

お家騒動の影響

2015年から2016年にかけて、創業者と前社長の対立によるお家騒動が発生しました。この時期に株価は2,500円を超えていましたが、その後下落の一途をたどり、現在も低迷が続いています。

人員削減とコスト削減

過去に複数回の人員削減を実施し、コスト最適化を進めています。これにより一部で黒字転換が見られますが、根本的な利用者回復には至っていません。国内プレミアムサービス会員数の減少が継続しており、業績回復を最優先課題としています。