ChatGPT最新モデル、2026年大学入学共通テストで9科目満点を取りました
2026年1月17日と18日に実施された大学入学共通テストを、対話型生成AI「ChatGPT」の最新モデル(GPT-5.2 Thinking)に解かせたところ、9科目で満点を取ったことが分かりました。この分析はAIベンチャーのライフプロンプト社が行い、2026年1月20日に公表されました。同社は2023年から毎年この実験を実施しており、今回で4回目となります。
全体の結果と得点率
ライフプロンプト社の検証によると、ChatGPTは文系科目構成で970点(1000点満点)、理系科目構成で968点(1000点満点)を記録しました。これにより、文系の得点率は97%、理系の得点率は96.8%となりました。解答した科目数は明示されていませんが、主要科目を基に総合点が算出されています。
満点となった科目
満点を取った9科目は以下の通りです。
- 数学1A
- 数学2BC
- 公共、政治・経済
- 化学
- 物理基礎
- 化学基礎
- 地学基礎
- 生物基礎
- 情報I
苦戦した点と弱点
ChatGPTは国語以外の全科目で9割以上の得点を記録しましたが、いくつかの弱点も見られました。英語リスニングの問題では、バス乗降口のイラスト選択で誤答がありました。また、国語の小説問題では、登場人物の複雑な感情の機微を理解できず誤答が発生しました。これらは視覚情報の論理的解釈や人間特有の感情理解がAIにとって難しい課題であることを示しています。
前年との比較
前年の2025年検証では、数学1Aの図形問題で苦戦し満点を取れませんでしたが、今年は図形を座標データとして脳内で再構築する処理により満点を獲得しました。日本史でも、単語暗記を超えた因果関係や文脈の深い理解が可能になり、資料読解問題を正しく解けるようになりました。これにより、AIの性能向上が確認されました。
他のAIモデルとの比較
ライフプロンプト社はChatGPT以外に、GoogleのGeminiとAnthropicのClaudeも検証しました。これら2モデルは900点前半のスコアで競り合いましたが、総合点ではChatGPTが上回りました。特に地理総合の問題ではGeminiのみが地図と気候グラフを正しくリンクさせましたが、全体ではChatGPTが優位でした。
分析方法の詳細
検証では、問題PDFを画像化してAPI経由でAIに入力しました。ChatGPTには数分間の思考時間を許容しました。英語リスニングは公開スクリプトをテキスト入力、国語の縦書き部分は文字起こしテキストを使用しました。同社はこの結果をnoteで公表しており、東京大学の二次試験へのAI挑戦企画も開始しています。
過去の推移
ライフプロンプト社の過去分析によると、東京大学文科1類の科目得点率は2024年が66%、2025年が91%でした。満点科目が出現したのは今回が初めてです。
AI教育への影響
この結果は、教育界に大きなインパクトを与えています。AIが知識の再生、パターン処理、論理演算などの能力で人間を凌駕しつつあることを示しており、従来の「正解を早く正確に出す」ことを重視した試験制度の見直しが避けられない状況となっています。
今後の教育では、暗記中心の問題の価値が低下し、記述式や探究型、プロジェクト型の評価への移行が進む可能性があります。また、AIの利用を前提とした試験設計、つまり「AIと協働する能力」を評価する方向への転換も予想されます。
教育の目的自体が再定義され、「何を知っているか」から「どう考え、どう使うか」「問いを立てる力」「創造力」「他者と協働する力」「不確実性への適応力」などの人間らしい能力を重視する形に変わっていくと考えられています。
一方で、AIが個別最適化された学習支援ツールとして活用されることで、学習効率の向上やカスタマイズされた教育の実現も期待されています。このニュースは、教育の未来を根本的に問い直すきっかけとなっています。
