窓用エアコンと壁掛けエアコンの比較、電気代はどちらが高い?

窓用エアコンと壁掛けエアコンの違いと特徴

エアコンを選ぶ際、設置環境や用途によって「窓用エアコン」と「壁掛けエアコン」のどちらが適しているかが変わります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、どちらがあなたのニーズに合うのか詳しく解説します。

窓用エアコンの特徴

窓用エアコン(ウィンドウエアコン、ウィンドウクーラーとも呼ばれる)は、室内機と室外機が一体となったコンパクトなエアコンで、窓枠に設置するタイプです。主に以下の特徴があります。

  • 工事不要で簡単設置: 窓枠に専用の取り付け枠を設置し、本体をはめ込むだけで使用可能。特別な工具や専門知識がなくても自分で設置できるため、賃貸住宅や一時的な使用に最適です。
  • 室外機不要: 室内機と室外機が一体化しているため、ベランダや庭に室外機を置くスペースが不要。狭いスペースでも設置可能です。
  • 価格の手頃さ: 本体価格は4万円~7万円程度で、壁掛けエアコンに比べ初期費用が安価。また、工事費がかからない点も魅力です。
  • 移動が容易: 取り外しが簡単で、引っ越し時に持ち運んで再設置できるため、転勤族や一時的な住まいに適しています。
  • 適用畳数の制限: 冷房で4~8畳、暖房で5~6畳程度が一般的で、広い部屋には不向きです。木造住宅では適用畳数が狭くなる傾向があります。
  • 運転音の大きさ: 室内機と室外機が一体のため、コンプレッサーの動作音が室内に響きやすく、50~60dB程度(人の話し声や事務所の騒音レベル)が一般的。静音モデルでも45dB程度で、就寝時に気になる場合があります。
  • 電気代の高さ: インバーター制御がなく、一定の出力で運転するため電気代が高め。1時間あたり約16.5~20円、1か月(6時間×30日)で約3,000~5,000円程度かかります。
  • 防犯と虫の侵入リスク: 窓を一部開けた状態で設置するため、標準の窓鍵が使えず補助錠が必要。また、隙間から虫が入り込む可能性があります。特に雨天時には隙間からの水漏れにも注意が必要です。

壁掛けエアコンの特徴

壁掛けエアコンは、室内機と室外機が分離した一般的なエアコンで、壁に設置するタイプです。以下の特徴があります。

  • 高い冷房・暖房能力: 6~18畳以上に対応し、広い部屋や複数の部屋を効率的に冷暖房可能。鉄筋住宅や木造住宅を問わず高い冷却効果を発揮します。
  • 省エネ性能: インバーター制御により、室温に応じてファンの回転数を調整し、消費電力を抑える。1時間あたり約12~15円、1か月(6時間×30日)で約2,200~2,900円と、窓用エアコンより電気代が安価です。
  • 静音性: 室外機が屋外にあるため、室内の運転音は30~40dB程度と静か。寝室や静かな環境での使用に適しています。
  • 多機能性: 自動運転モード、エコモード、空気清浄機能、除湿機能など、高度な機能を備えたモデルが多い。快適性と利便性が向上します。
  • 設置の手間: 室内機と室外機をつなぐ配管用の壁穴開け工事が必要で、専門業者による設置が必須。賃貸物件では大家の許可が必要です。また、工事費(1~3万円程度)が別途かかります。
  • 初期費用の高さ: 本体価格は6万円~15万円以上で、工事費を合わせると窓用エアコンより高額。室外機の設置スペースも必要です。
  • 移動の困難さ: 取り外しや再設置には専門業者が必要で、引っ越し時に持ち運ぶのは現実的ではありません。

窓用エアコンと壁掛けエアコンの比較

以下は、窓用エアコンと壁掛けエアコンの主な比較ポイントです。

項目 窓用エアコン 壁掛けエアコン
設置方法 自分で窓枠に設置可能(工事不要) 専門業者による壁穴開け工事が必要
初期費用 4~7万円(工事費なし) 6~15万円+工事費(1~3万円)
電気代 1時間約16.5~20円、月約3,000~5,000円 1時間約12~15円、月約2,200~2,900円
適用畳数 冷房4~8畳、暖房5~6畳 6~18畳以上
運転音 45~60dB(やや大きい) 30~40dB(静か)
防犯・虫対策 窓が開いた状態で補助錠が必要、虫の侵入リスク 窓を閉じたまま使用可能、虫の侵入なし
移動性 取り外し・再設置が簡単 移動や再設置に専門工事が必要

窓用エアコンと壁掛けエアコンの選び方

窓用エアコンがおすすめの場合

  • 賃貸物件で壁に穴を開けられない場合
  • 室外機を置くスペースがない部屋
  • 初期費用を抑えたい場合
  • 引っ越しが多く、エアコンを持ち運びたい場合
  • 4~8畳の小さな部屋を冷やす場合

壁掛けエアコンがおすすめの場合

  • 広い部屋や長期間の使用を想定している場合
  • 電気代を節約したい場合
  • 静音性を重視する場合
  • 多機能なエアコンを求める場合
  • 防犯や虫の侵入を気にせず使用したい場合

電気代の節約方法

窓用エアコンの場合

  • フィルターを2週間に1回掃除し、運転効率を維持する。
  • サーキュレーターや扇風機を併用して冷気を部屋全体に循環させる。
  • 自動運転モードやおやすみモードを搭載したモデルを選ぶ。
  • 設定温度を高めに設定(27~28℃)して過剰な冷房を避ける。

壁掛けエアコンの場合

  • インバーター制御を活用し、自動運転モードで省エネ運転を行う。
  • 定期的にフィルター清掃を行い、効率を保つ。
  • 部屋の気密性を高める(カーテンや断熱シートで窓の熱を遮断)。
  • 使用時間を最適化し、つけっぱなしを避ける(ただし、短時間のオンオフは逆効果の場合も)。

まとめ

窓用エアコンは工事不要で手軽に設置でき、賃貸や狭いスペースに最適ですが、電気代が高く、運転音や防犯・虫の侵入リスクが課題です。一方、壁掛けエアコンは初期費用と設置の手間がかかるものの、省エネ性能、静音性、冷却能力に優れ、長期間の使用や広い部屋に適しています。部屋の広さ、予算、使用環境を考慮して最適なエアコンを選びましょう。