藤井聡氏「SANAE TOKEN」釈明も…ABCテレビが番組出演見合わせ 釈明の矛盾点とは

ABCテレビによる藤井聡氏の出演見合わせの概要

2026年3月7日、朝日放送テレビ(ABCテレビ)は、土曜午前9時30分から放送される情報番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」において、レギュラー出演者の藤井聡氏(元内閣官房参与、京都大学大学院教授)の出演を見合わせました。この決定は、高市早苗首相の名前を冠した仮想通貨「SANAE TOKEN」に関する問題に起因しています。

番組内での説明

番組アシスタントを務める久保光代アナウンサーは、放送中に次のように述べました。「現時点では『SANAE TOKEN』自体や藤井聡先生との関連について一部事実確認が取れていないため、朝日放送テレビとしては、今回の放送において藤井聡先生の出演を見合わせることとなりました」。この声明は、事実確認の不十分さを理由としており、局側の慎重な対応を示しています。

「SANAE TOKEN」の背景

「SANAE TOKEN」は、起業家である溝口勇児氏(41歳)が率いるコミュニティ内で発行された仮想通貨で、「Japan is Back」プロジェクトの一環として位置づけられていました。このプロジェクトは藤井聡氏が中心となって進められていたと公式に宣伝されており、トークンは2026年2月25日にYouTube番組「NoBrder」で発行されました。しかし、高市早苗首相の名前を冠している点が問題視され、首相本人が関与を全面否定したことで価格が急落し、プロジェクトは中断されました。

藤井聡氏の釈明とその意図

藤井聡氏は2026年3月3日のX投稿で長文の説明を発表しました。主な内容は以下の通りです。

  • 「Japan is Back」プロジェクトの趣旨(多様な政治意見を集約し政策参考とするもの)に賛同し、ボランティア(無償)で協力した。
  • プロジェクト全体の中心的な役割(構想提案、社会実験としての推進など)を担っていたが、「SANAE TOKEN」の発行・供給・販売という具体的な運用部分には一切関与していなかった
  • トークンは当初「アプリ内活動(意見投稿など)に応じて付与されるデジタル資産」と説明を受けていたが、実際にはアプリ外で独立発行され、大量に外部市場へ供給・販売されていたことを事後的に認識した。
  • 高市首相の承認は得られていなかった。

藤井氏がここで強調したのは、「政治・政策議論のプラットフォームとしてのプロジェクトには深く関与したが、仮想通貨の金銭的・投機的部分(発行・販売)にはノータッチだった」という責任の線引きです。つまり、「プロジェクトのアイデア出しや推進は中心だったが、トークンの実務は運営側が独自に行ったもので、自分は知らされていなかった・関わっていないため、直接的な責任はない」という主張です。

釈明に対する主な批判点

しかし、この説明に対してXやメディア上で多くの疑問・批判が寄せられています。主な理由は以下の通りです。

  • プロジェクト発表時(NoBorder公式など)で「藤井先生が中心となって進めてくださっているプロジェクト」と明言され、トークン発行自体もその一環として宣伝されていた。
  • 藤井氏自身がYouTube動画などで「トークン発行チームもスピード感を持って動いてくれた」「溝口さんに提案させていただいた」などと積極的に関与をアピールする発言をしていた。
  • 「中心と言いながらトークン部分だけ知らなかった・関与していない」は矛盾・都合のいい線引きに見える、という声が強い。

これにより、「責任逃れ」や「言葉遊び」と受け止められるケースが多く、藤井氏の説明が十分に納得を得られていない状況です。

関係者の対応と発言

高市早苗首相はXで「SANAE TOKEN」への関与を完全に否定しました。これを受けて、溝口勇児氏と藤井聡氏は謝罪を発し、プロジェクトは運営側により中止されました。金融庁は状況の把握に取り組んでいます。

問題の性質

この仮想通貨は、首相の人気を利用した不適切な事業の可能性が指摘されており、ABCテレビの出演見合わせは、こうした事実確認の必要性から生じた措置です。