日経平均上昇下での任天堂株価下落の背景
2026年2月26日現在、日経平均株価は全体として史上最高値を更新する上昇基調を維持しています。一方、任天堂の株価は2025年の高値から大幅に調整を続けています。2025年8月には上場来高値の14,795円を記録しましたが、2026年2月6日には8,326円まで下落し、その後も9000円を割り込む水準で推移していました。2月26日の終値は8,737円(前日比+223円、+2.62%)となっており、9000円を割り込んだ状態からやや反発した形となっています。この下落の主な要因は、2026年2月3日に発表された2026年3月期第3四半期決算の内容と、それに伴う市場の失望反応にあります。
決算内容の概要
任天堂は2026年2月3日、2026年3月期第3四半期(2025年4月~12月)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比99.3%増の1兆9,058億円とほぼ倍増し、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」の販売が好調で累計販売台数が1,737万台に達したことが大きく寄与しています。営業利益は同21.3%増の3,003億円、最終利益は同51.3%増の3,588億円となりました。しかし、これらの数字は市場の期待を下回る水準であり、通期業績予想の据え置きが投資家の失望を招いています。
利益率低下の要因
売上高の大幅増に対して利益の伸びが限定的だった主な理由は、新型機「Nintendo Switch 2」の利益率が旧型機に比べて低い点にあります。また、円安によるドル建て部材の調達コスト上昇も影響しています。第3四半期の営業利益率は15.8%と、前年同期の25.9%から低下しており、新ハードの初期製造原価の高さや、ソフトウェア売上比率の相対的な低さが全体の利益率を圧迫する構造的な要因となっています。
メモリ価格高騰の懸念
株価下落の大きなきっかけの一つは、半導体メモリ価格の高騰によるゲーム機粗利益率の低下懸念です。決算説明会で社長は、直近の価格高騰は第3四半期の採算性に大きな影響を与えていないと説明しましたが、来期(2027年3月期)以降に価格高騰が長期化すれば収益性に悪影響を及ぼす可能性を指摘しています。これにより、市場では将来業績への不透明感が強まり、売りが加速しています。
通期予想の据え置きと市場反応
通期業績予想は売上高2兆5,000億円、営業利益3,700億円、最終利益3,500億円で据え置かれています。第3四半期で最終利益が通期計画をすでに上回ったにもかかわらず、上方修正が見送られた点が市場の失望を誘っています。決算発表翌日の2月4日には株価が10.98%急落し、8,973円で引け、9000円を割り込みました。これは過去40年近くの日変動率で上位に入る下落幅となっています。その後、株価は8,000円台後半で推移し、2月26日には8,737円で取引を終えています。
日経平均との対比
日経平均株価は2月26日に前日比170円27銭高の58,753円39銭で引け、連日で史上最高値を更新しています。一時は取引時間中に59,000円台に乗せる場面もありましたが、過熱感からの利益確定売りが優勢となり上げ幅を縮小しています。米国株高や半導体関連の動きが全体を押し上げた一方、任天堂株は個別要因による逆行安が続いています。このように、市場全体の上昇トレンドとは対照的に、任天堂の株価は決算内容とメモリ価格をはじめとするコスト懸念による売りが優勢となっています。
