SNSで「主語の大きい」投稿を見るとイライラしてしまう理由
ここでは男女関係を例にとりますがSNSを見ていると、「男ってこういう生き物だよね」「男性は全然分かってくれない」といった投稿が流れてくることがあります。
自分はその投稿主とは赤の他人であり、かつ自分自身はそんな振る舞いをしていないにも関わらず、「なんで全ての男性に向けて言ってるの?」「俺は違うのに勝手に決めつけないでほしい」と、モヤモヤや不快感を感じたことはありませんか?
なぜ投稿主は「あの人(特定の個人)」ではなく「男性(全体)」として語るのか。そして、なぜ読み手はそれを自分への攻撃と感じてしまうのか。心理学的な視点からそのメカニズムを紐解きます。
1. なぜ自分に向けられた言葉だと感じてしまうのか?
アイデンティティへの攻撃と「ステレオタイプ脅威」
人間には「自分は何者か」というアイデンティティがあり、「性別」はその大きな要素の一つです。
そのため、「男性は◯◯だ(悪い意味で)」という言葉を目にすると、脳が無意識に「自分=男性」という回路を繋げ、「自分=◯◯だ」と言われているように変換してしまいます。
これを心理学的には「ステレオタイプ脅威」に近い反応と捉えることができます。個人の性格や行動を見ずに、属性(性別)だけで否定的なレッテルを貼られることに対し、脳が「不当な評価だ!」と拒絶反応を起こすのは、自尊心を守るための正常な防衛本能です。
つまり、あなたがイライラするのは、あなたが「自分は誠実に生きている」という自負を持っている証拠でもあります。
2. なぜ投稿主は「主語を大きく」してしまうのか?
一方、投稿している女性側も、あなた個人を攻撃したくて投稿しているわけではありません。なぜ彼女たちは「私の彼氏が」と書かずに、「男性が」と主語を大きくしてしまうのでしょうか。
理由A:自分のプライドを守るため(防衛機制)
「私の選んだ彼氏がひどい人だった」と認めることは、自分の「見る目のなさ」や「失敗」を認めることになり、心理的な苦痛を伴います。
そこで、主語を「彼」から「男性全般」にすり替えることで、「これは彼個人の問題ではなく、男性という生物の性質なのだ(だから私は悪くない)」と無意識に自分を正当化し、心の傷を守ろうとしているのです。
理由B:共感を「強制」するため
SNS利用の目的として「共感」があげられます。「私の彼氏の愚痴」という個人的な話にしてしまうと、共感の範囲が狭まります。
しかし、「男ってこうだよね」と一般化して投げかけることで、同じような不満を持つ他の女性たちから「わかる!」「うちもそう!」という同意を集めやすくなります。彼女たちは問題解決よりも、仲間を見つけて安心するために、あえて主語を大きくしているのです。
3. 心の平穏を保つための対処法
「主語の大きい投稿」は、SNSの構造上避けられないものですが、真に受けてストレスを溜める必要はありません。次のような「脳内変換」をおすすめします。
「自動翻訳」でスルーする技術
「男性は…」という投稿を見たら、脳内で以下のように翻訳して読み取ってみてください。
- 原文:「男ってなんでこうなの? 全然気持ちを分かってくれない!」
- 翻訳:「(今私の目の前にいる特定の、私と相性の悪い)男ってなんでこうなの? (私は今すごく悲しくて余裕がないから)全然分かってくれない!(誰か私を慰めて!)」
画面の向こうの彼女は、あなたを含めた世の中の男性全員に説教をしているわけではありません。「目の前のたった一人への愚痴」を、さも全世界の真理のように誇張して叫んでいるだけなのです。
結論:あなたに向けられた言葉ではない
「主語が大きい」投稿を見るたびに感じる「とばっちり感」は不快なものです。しかし、それは投稿主が自分の精神的安定を保つために行った「過度な一般化」に過ぎません。
「ああ、主語を大きくしないといられないほど、今は追い詰められているんだな」と、一歩引いた視点で「個別の事例」として処理してしまいましょう。あなたは何も悪くありませんし、その言葉を受け止める義務もありません。
