2026年1月の訪日外国人客数(JNTO推計値)
総数は3,597,500人で、前年同月比4.9%減となりました。これは2022年1月以来、4年ぶりの減少です。主な要因は中国からの大幅減ですが、韓国をはじめ多くの市場で増加や過去最高記録が見られました。
中国からの大幅減少の主な理由
中国からの訪日客数は385,300人で、前年同月比-60.7%と急減しました。JNTO発表および関連報道によると、主な理由は以下の通りです。
- 中国政府による日本への渡航自粛・注意喚起:2025年11月以降、中国政府は日本への渡航を避けるよう自国民に呼びかけています。これは、高市早苗首相の国会答弁(台湾有事に関する「存亡の危機」発言など)が中国側で強く反発を招き、日中間の外交的緊張が高まったためです。中国政府は「日本の治安悪化」などを表向きの理由に挙げていますが、経済的・外交的な圧力として広く認識されています。
- 春節(旧正月)時期のずれ:2025年の春節は1月下旬から始まったのに対し、2026年は2月中旬にずれ込んだため、1月の訪日需要が前年比で大幅に減少しました。中国人観光客にとって春節は最大の旅行シーズンであり、このタイミングの影響が顕著です。
- 航空便の減便・減少:日中間の国際線座席数が大幅に減少し、フライトキャンセルが相次いだことも物理的な移動を制限しました。これにより、団体旅行を中心に予約がキャンセルされる事態が発生しています。
これらの複合要因により、中国市場が全体の減少を主導しましたが、他の市場の堅調さが一部を緩和しています。
国・地域別詳細データ(上位および主な市場)
訪日客数の多い順に並べ、JNTO発表の推計値と前年同月比を示します。
- 韓国: 1,176,000人(前年同月比 +21.6%)
全市場で初めて単月110万人を超え、単月過去最高を更新しました。航空座席数の増加や訪日人気の高まりが寄与。 - 台湾: 694,500人(前年同月比 +17.0%)
単月過去最高を更新。航空便増便やスクールホリデーの影響がプラスに働きました。 - 中国: 385,300人(前年同月比 -60.7%)
上記の理由により大幅減少。 - 米国: 207,800人(前年同月比 +13.8%)
1月として過去最高を記録。ウィンタースポーツ需要の高まりが背景。 - 香港: 200,000人(前年同月比 -17.9%)
春節時期のずれと航空座席数減少の影響。 - 豪州: 160,700人(前年同月比 +14.6%)
単月過去最高を更新。冬季スポーツ目的の需要増加。 - タイ: 115,100人(前年同月比 +18.9%)
1月として過去最高。冬季人気と航空便復便・増便の効果。 - フィリピン: 79,200人(前年同月比 +9.7%)
1月として過去最高。増便とクルーズ寄港の影響。 - インドネシア: 74,000人(前年同月比 +17.0%)
1月として過去最高。祝日や冬季人気の寄与。 - マレーシア: 72,500人(前年同月比 -3.3%)
春節ずれや訪中旅行人気の影響で微減。
その他の注目市場(1月として過去最高を記録した例)
シンガポール(48,500人、+6.1%)、ベトナム(52,800人、+4.7%)、インド(18,500人、+14.3%)、カナダ(48,000人、+13.5%)、フランス(20,600人、+24.7%)、ドイツ(18,300人、+43.7%)、英国(29,500人、+11.8%)など、欧米豪や東南アジアを中心に17市場で1月の過去最高を更新しました。
全体の傾向と今後の見通し
春節の時期ずれと中国政府の渡航自粛要請で中国市場に大きなマイナス影響が出た一方、スノーシーズン需要や航空便の増便・復便が多くの市場で増加を後押ししました。中国市場の回復が鍵となりますが、韓国・台湾・欧米豪などの堅調さが全体を支えています。JNTOは持続可能な観光推進に向け、市場動向を注視し戦略的なプロモーションを継続する方針です。
