機内でのモバイルバッテリー使用禁止の概要
国土交通省は、航空機内でのモバイルバッテリーの使用を2026年4月から禁止する方針を固め、国内の航空会社などに説明を行いました。この措置は、機内でモバイルバッテリーから火や煙が出る事例が国内外で相次いでいることを背景としています。
禁止の対象範囲
禁止の対象は、航空機内でのモバイルバッテリーの使用です。これには、モバイルバッテリーから電子機器への充電行為が含まれます。また、機内でのモバイルバッテリー本体への充電も禁止されます。手荷物としての持ち込み自体は可能ですが、使用は制限されます。
背景と理由
この規制は、航空機内でのモバイルバッテリーの発煙や発火事故が相次いで発生しているためです。これらの事故は、乗客と乗員の安全を脅かす可能性があり、国際民間航空機関(ICAO)の議論を踏まえた対応となっています。国交省は、ICAOの新ルールを参考に国内ルールを改正する方針です。
主な発火・発煙事例の詳細
国内外で報告された主な事例として、以下のようなものが挙げられます。これらは主にリチウムイオン電池の熱暴走や内部短絡が原因とみられています。
- 2025年1月 韓国・金海空港(エアプサン航空機):離陸準備中の機内で火災が発生し、機体が炎上。韓国事故調査当局の調査により、収納棚に置かれていたモバイルバッテリーからの発火が原因である可能性が指摘されています。乗客・乗員176人が緊急脱出、2人が負傷しました。
- 2025年3月 香港航空機内:機内の手荷物棚でモバイルバッテリーが出火し、火災が発生。乗客らが水やジュースをかけて消火活動を行い、緊急着陸しました。
- 2025年10月 日本国内 全日空(ANA)NH994便(那覇発羽田行き):離陸直後に座席の下に置かれた乗客の手荷物内のモバイルバッテリーから煙が発生。隣席の乗客が水をかけて即時鎮火し、けが人はなく予定通り到着しました。
- その他の海外事例:中国国際航空機内で収納棚の手荷物内のリチウム電池が自然発火し、緊急着陸。中国・杭州発ソウル行き機内でも手荷物棚から炎と煙が発生し、乗客の協力で消火、上海に緊急着陸しました。
日本国内の航空会社でも発煙・発火事例が発生していますが、いずれも早期発見により乗務員が適切に対応し、大事故に至っていません。これらの事例が規制強化の直接的なきっかけとなっています。
適用時期と決定プロセス
禁止措置は2026年4月から適用される予定です。ICAOの理事会で3月中に新ルールが決定される見通しで、国交省はその決定を受けて航空法の告示を改正します。現在は検討段階ですが、方針は固まっています。
持ち込み個数の制限
モバイルバッテリーの持ち込み個数は、電力量にかかわらず最大2個までに制限されます。具体的には、160ワット時以上のものは持ち込み禁止で、100ワット時以下の予備電池と合わせて計2個までです。預け入れ荷物への入れることは引き続き禁止されています。
関連する国際・国内の動き
国際的に、シンガポール航空やルフトハンザグループ、韓進グループ傘下の航空会社(大韓航空、アシアナ航空など)などで、機内でのモバイルバッテリー使用や充電の禁止が既に実施されています。これらの事例が、国内規制の強化につながっています。
旅行者への注意点
航空機を利用する際は、モバイルバッテリーを機内持ち込み手荷物とし、使用を避けましょう。異常が発生した場合に即時対応できるよう、手元で保管することが推奨されます。異常(発熱、変形、異臭など)を感じたら直ちに使用を中止し、乗務員に知らせてください。詳細は各航空会社の案内を確認してください。
