広島地検、プロ野球広島東洋カープ選手・羽月隆太郎容疑者を起訴
2026年2月17日、広島地方検察庁は、プロ野球・広島東洋カープの内野手である羽月隆太郎容疑者(25歳)を、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)違反の罪で起訴しました。
起訴の内容
起訴状によりますと、羽月容疑者は2025年12月16日頃、広島市中区にある自宅において、医療以外の用途で指定薬物である「エトミデート」の若干量を使用したとされています。認否については明らかにされていません。
事件の経緯
羽月容疑者は2025年12月16日、広島県内で110番通報があり、警察官が駆けつけた際に任意同行されました。その際に行われた尿検査でエトミデートの陽性反応が確認されました。2026年1月27日に同法違反の疑いで逮捕されています。
逮捕当初は「使った覚えはありません」と容疑を否認していましたが、その後、使用を認める供述に変わりました。1月28日には球団から野球活動停止の処分が決定され、1月30日にはマツダスタジアムと大野屋内総合練習場が家宅捜索されました。
起訴後の一般的な流れ
起訴された場合、被疑者は「被告人」となります。起訴後は公開の刑事裁判が開かれます。通常、自白事件(事実を認めている場合)では、起訴から約1~2ヶ月後に第1回公判が開かれ、その後、数回の公判を経て判決が言い渡されます。
裁判では、検察官による起訴事実の立証、証拠調べ、被告人質問、検察官の論告求刑、弁護側の最終弁論などが行われます。日本の刑事裁判の有罪率は非常に高く(99.9%以上)、起訴された場合は有罪判決が前提となりますが、刑の重さ(実刑か執行猶予か)が焦点となります。
起訴直後には保釈請求が可能で、裁判所が認めた場合、保釈金納付により一時的に身柄が解放されます。保釈が認められれば、社会内で生活しながら裁判に臨むことが可能です。
判決確定後、執行猶予が付いた場合は一定期間罪を犯さなければ刑の執行が免除されますが、実刑となった場合は刑務所での服役となります。本件の法定刑は3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、または併科です。
羽月隆太郎容疑者のプロフィール
羽月隆太郎容疑者は2000年4月19日生まれ、宮崎県宮崎市出身です。身長168cm、体重73kg、右投左打の内野手・外野手です。神村学園高等部から2018年のドラフト7位で広島東洋カープに入団しました。チーム屈指の俊足を活かした代走要員として活躍しており、2025年シーズンにはキャリアハイとなる17盗塁を記録しています。
球団の対応
広島東洋カープの鈴木清明球団本部長は同日、キャンプ地の沖縄市で報道陣に対し、次のようにコメントしています。「起訴された事実に基づいて、これから粛々と進めていきたいと考えています。こちらで選手会を含めて話をしていきます」と述べました。契約解除については、今後の対応を検討中としています。
エトミデート(ゾンビたばこ)とは
エトミデートは海外の一部で医療用鎮静剤として使用される成分ですが、日本では未承認の指定薬物です。電子たばこなどで吸引する形態が多く、過剰摂取により手足のけいれんや意識喪失を引き起こす可能性があるため、「ゾンビたばこ」と通称されています。2025年5月に医薬品医療機器等法で指定薬物に指定され、医療用途以外の製造・輸入・所持・使用が禁止されています。
今回の起訴は、プロ野球界における薬物問題として大きな注目を集めています。
