『果てしなきスカーレット』興行収入大苦戦、テレビ局のポジティブ宣伝は限界か?

日本テレビ、『果てしなきスカーレット』の興行収入を「大不振で終了」と報告

日本テレビは2026年2月16日、都内で定例会見を開き、同局が製作に参加した映画『果てしなきスカーレット』(細田守監督)について、興行収入の苦戦を明らかにしました。澤桂一取締役が「大不振で終了しました」と報告しています。

会見での澤取締役の発言内容

澤取締役は、興行不振の要因について「ネガティブキャンペーンの波にのみ込まれてしまった。それによりライトユーザーを取り残してしまったなと思っております」と分析しています。また、海外展開については「世界においてはネガティブキャンペーンは起きていない。(アニメ界のアカデミー賞と呼ばれる)第53回アニー賞にもノミネートされました。世界公開に関しては期待を持って現在、様子をみている段階でございます」と述べ、国際市場での可能性に言及しています。

映画の基本情報と公開経緯

『果てしなきスカーレット』は、細田守監督の最新作で、2025年11月21日に劇場公開されました。スタジオ地図が制作を主導し、日本テレビをはじめ東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、KADOKAWAが製作に参加しています。キャストには芦田愛菜、岡田将生、山路和弘、柄本時生、青木崇高、染谷将太、白山乃愛、白石加代子、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、市村正親、役所広司らが名を連ねています。

作品は、細田監督のこれまでの作風とは異なる挑戦的な内容として注目を集めましたが、公開直後から興行面で厳しいスタートとなりました。初週の興行収入は約2億円台と前作『竜とそばかすの姫』(最終興収66億円)の同期間比で大幅に下回る結果となり、2週目以降はランキング上位から脱落しています。

昨年12月の会見でも苦戦を指摘

同作の興行状況は、公開直後の2025年12月1日の日テレ定例会見でも取り上げられていました。澤取締役は当時、「今までの作風にこだわらないものを作ろうとした。結果、受け入れにくかった方が多かったのかなと。従来のファンから戸惑いや驚きがあったのかな。SNSでもかなり辛口批判が起こりました。一方で、非常にいい内容だという声もありますが、ネガティブな意見にかき消されているのが現状」と語っています。

ネガティブキャンペーンか、それともテレビ局の宣伝手法の限界か

一方で、SNS上では本作の苦戦を「ネガティブキャンペーン」とする日本テレビ側の見方に対して、別の視点も存在します。近年、SNSで自然に話題となり大ヒットした映画も複数あります。テレビ局を中心とした従来型のポジティブな宣伝(テレビCMや地上波での露出)が、視聴者・映画ファン層に十分に届かなくなっている可能性が指摘されています。作品自体の評価が分かれる中で、テレビ局の強みだったマスメディアを通じたポジティブキャンペーンが、SNS中心の情報流通時代において相対的に効力を失っているのではないか、という見方も浮上しています。

海外市場への期待を強調

日本国内の上映は終了しましたが、台湾や米国など海外での公開が順次開始されています。澤取締役は「世界公開に関しては期待を持って現在、様子をみている段階でございます」と、国際的な評価に自信を示しています。第53回アニー賞へのノミネートも、海外での好材料として挙げられています。

日本テレビは今後も同作の魅力を国内外で発信していく方針です。