フォード、2025年10-12月期に111億ドル(約1.7兆円)の赤字を計上 EV戦略大幅転換が主因

フォード・モーターの2025年第4四半期決算概要

フォード・モーターは2026年2月10日に、2025年第4四半期(10~12月期)および通年の財務業績を発表しました。この四半期の純損失は111億ドルに達し、特別項目の影響が主な要因となっています。これにより、約1兆7千億円規模の赤字を計上した形です。

第4四半期の主要財務指標

売上高は459億ドルで、前年同期比で5%減少しました。調整後EBIT(利払い前・税引前利益)は10億ドルを記録しています。一方、純損失は111億ドルとなり、特別項目による影響が顕著です。

赤字の主な要因

この純損失の背景には、電気自動車(EV)事業の戦略転換に伴う195億ドルの特別費用が発生しており、そのうち125億ドルが第4四半期に計上されました。また、年金およびその他の退職後給付関連で6億ドルの税引前損失も報告されています。これらの特別項目が調整後利益を圧迫する結果となりました。

EV事業の戦略転換の詳細

フォードはEV投資を縮小し、ガソリン車およびハイブリッド車の提供を強化する方向へシフトしています。これには、F-150 LightningのフルEV生産終了と、計画されていた電動バンのキャンセルが含まれます。また、テネシー州のBlueOval City工場は、次世代電動トラックの生産計画を変更し、ガソリン駆動のピックアップトラックを製造する予定です。EV事業の焦点は、低コストで柔軟な「Universal EV Platform」に移行しており、北米でのEV開発をこのプラットフォームに集中させています。このプラットフォームを活用した電動ピックアップは2026年にロールアウト予定で、バッテリーストレージ事業への参入も発表されています。EVの収益化目標は2029年としており、欧州でのルノー製EV製品の販売とUniversal EV Platform車両の市場投入が鍵となります。

通年の業績ハイライト

2025年通年の売上高は1873億ドルと過去最高を更新し、5年連続の増収を達成しました。しかし、純損失は82億ドルに及び、調整後EBITは68億ドルとなっています。特別項目の影響が通年でも続いています。

事業セグメント別の概要

フォード・ブルー(従来型車両部門)の売上高は250億ドル、EBITは8億3070万ドルと見込まれていました。モデルe(EV部門)は売上高11億6000万ドルながら、13億ドルのEBIT損失を計上。フォード・プロ(商用車部門)は売上高149億ドル、EBIT16億3000万ドルでした。これらのセグメントが全体の業績を形成しています。

今後の見通し

フォードは2026年第1四半期の決算を2026年4月28日に発表する予定です。2025年の運用利益は当初の見通しである70億ドルから85億ドルの範囲から、70億ドルに下方修正されています。2026年の調整後EBITは80億ドルから100億ドル、Model e部門の損失は40億ドルから45億ドルと見込まれています。