資生堂の2025年12月期連結決算発表
資生堂は2026年2月10日に、2025年12月期(国際会計基準)の連結決算を発表しました。この決算では、純損益が406億円の赤字となり、前期の108億円の赤字から赤字幅が拡大しています。赤字は2年連続となりました。
純損益の詳細
純損益の赤字額は406億円で、これは同社の歴史上2番目に大きな赤字規模です。前期比で赤字が拡大した主な背景として、米国事業の不振が挙げられます。
主な赤字要因
赤字の主因は、2019年に買収した米国のスキンケアブランド「ドランク エレファント」の事業低迷です。これにより、468億円の減損損失を計上しました。このブランドの売上高は2024年から25%減少し、2025年もさらに39%減少しています。生産トラブルによる出荷遅延がシェア喪失を招いたとされています。
売上高と営業利益の状況
売上高は前期比2.1%減の9699億円となりました。一方、本業のもうけを示すコア営業利益は22.4%増の445億円を達成しています。これは人員削減やコスト削減などの構造改革効果によるものです。当初予想の520億円の赤字から上振れした点も、これらの改革が寄与しています。
2026年12月期の見通し
資生堂は2026年12月期の業績予想として、売上高を前期比2.1%増の9900億円、コア営業利益を55%増の690億円、純利益を420億円の黒字と見込んでいます。これにより、3年ぶりの黒字転換を目指します。構造改革の進展と主力ブランドの新商品投入が期待されています。
ドランク エレファントの詳細分析
ドランク エレファント(Drunk Elephant)は、2012年にTiffany Mastersonによって設立された米国のスキンケアブランドです。2013年に製品を発売し、クリーンでバイオコンパチブルな成分を使用した効果的なフォーミュラで知られています。ブランドのミッションは、すべての肌タイプに対応するソリューションを提供し、健康で輝く肌を実現することです。
ブランドの歴史と哲学
創設者のTiffany Mastersonは、自身のスキンケア問題を解決するための研究からブランドを始めました。ドランク エレファントは、クリーン コンパチブル カテゴリを確立し、有害とされる成分(例: パラベン)を排除した製品を開発。Instagramフレンドリーなパッケージングとユニークなブランドボイスで、ミレニアル世代とGen Zを中心に急速に人気を博しました。2018年の売上高は75百万ドルで、2019年には125百万ドルを予測していました。
主な製品と特徴
製品ラインアップには、スキンケアの基本であるクレンザー、セラム、モイスチャライザーなどが含まれます。バイオコンパチブルな成分を活用し、強力で効果的なフォーミュラが特徴。キット、トラベルサイズ、限定製品も提供され、主にSephoraと自社サイトで販売されています。パッケージングはカラフルで目を引くデザインです。
資生堂による買収
2019年10月、資生堂はドランク エレファントを845百万ドル(約920億円)で買収しました。この買収は、資生堂のグローバルプレステージスキンケア市場でのリーダーシップを強化することを目的とし、ドランク エレファントの成長ポテンシャルを活用するものでした。買収額は2018年売上の約8.5倍に相当します。
買収後の業績
買収後、ドランク エレファントは当初の成長を続けましたが、2023年は前年比77%増の売上を達成。一方で、2024年には25%減、2025年にはさらに39%減と売上が失速しました。2025年12月期では、資生堂の米国事業で468億円の減損損失を計上し、全体の最終損益を520億円の赤字に押し下げました。これは資生堂史上最大の赤字額です。
