自民圧勝の裏で起きた「比例13議席譲渡」の仕組み:2026衆院選

自民党の比例代表候補不足による議席譲渡の概要

2026年2月8日投開票の衆院選において、自民党は比例代表で大量の得票を獲得しました。しかし、比例名簿に登載した候補者の数が不足したため、計13議席を他党に譲る結果となりました。この現象は、自民党の圧勝を象徴する出来事として注目されています。

選挙結果と候補不足の詳細

自民党は比例代表で67議席を獲得しましたが、得票数に基づく計算では80議席を獲得できるはずでした。しかし、小選挙区との重複立候補者が大半で小選挙区当選したため、比例での当選枠が不足しました。具体的に、南関東ブロックで6議席、東京ブロックで4議席、北陸信越ブロックで2議席、中国ブロックで1議席が得票に応じた議席数を超過し、他党へ割り振られています。

北陸信越ブロックの事例

北陸信越ブロック(定数10)では、自民党が名簿に20人を登載し、そのうち17人が小選挙区との重複立候補者で全員小選挙区当選しました。比例で5議席獲得可能な得票を得ましたが、比例単独候補が3人しかおらず、2議席を中道改革連合に譲っています。これにより、同ブロックの比例では中道改革連合が4議席となり、自民党の3議席を上回っています。

公職選挙法に基づく議席配分の仕組み

公職選挙法によると、比例代表名簿に登載した候補者が全員当選した場合、追加の議席を獲得しても候補者の追加は認められません。この場合、ドント式で計算した順位に基づき、次点の政党に議席が順次割り振られる仕組みとなっています。

ドント式(最大剰余方式)の詳細な仕組み

日本の衆議院比例代表選挙では、ドント式(最大剰余方式)と呼ばれる方法で各政党への議席が配分されます。この方式は、以下の手順で進められます。

  1. 各政党の得票数を、1、2、3……と順に割っていきます(最初は得票数を1で割った値、次は2で割った値、というように)。
  2. その割り算の結果(商)を大きい順に並べ、定数(ブロックごとの議席数)分だけ上位の商を選びます。
  3. 各政党が獲得した商の数だけ議席が割り当てられます。

このとき、同じ政党の複数の商が上位に来る場合、その政党に複数の議席が割り当てられます。名簿登載候補者が不足している場合は、すでに割り当てられた議席数を超える分の議席は無効となり、次の順位の政党(他党)の商に議席が回されます。これが「議席の譲渡」が発生する主な理由です。

ドント式は、得票数の多い政党に有利になる傾向がありつつ、比較的公平な議席配分を実現する方式として採用されています。

過去の類似事例

このような候補不足による議席譲渡は、2005年の郵政選挙で自民党が296議席を獲得した際にも発生した事例があります。