香港民主化運動の象徴「学連」が解散へ 国安法の圧力で活動継続困難に

香港学連の概要

香港専上学生連会(学連、HKFS)は、香港の民主化運動において長年にわたり中心的な役割を果たしてきた学生団体です。1958年に4つの大学学生会によって設立され、香港の大専院校生の対外代表組織として機能してきました。

設立と初期の活動

学連は1958年に設立され、早期から社会問題に積極的に関与しました。1970年代には保釣運動に参加し、1989年には北京の学生運動を支援するなど、香港の社会変革に貢献してきました。

香港返還後の役割

1997年の香港返還以降、学連は教育や政治問題に取り組みました。2012年には国民教育科反対運動で万人の授業ボイコットを主導し、2014年の政改方案反対では授業ボイコットを呼びかけ、79日間にわたる占中運動(Umbrella Movement)を引き起こしました。この運動では、当時の学連秘書長らが政府当局者と対話を行いました。

内部の変動

しかし、2014年の運動中の行動や内部の改革・財政問題が不満を招き、2015年に複数の大学学生会が脱退する「退聯潮」が発生しました。結果、残るメンバーは中文大学、嶺南大学、科学技術大学、樹仁大学の4校となりました。2023年には解散の噂がありましたが、当時の代表により否定されました。

解散の決定

学連は2026年2月5日にソーシャルプラットフォーム上で声明を発表し、解散手続きの開始を決定しました。この決定は会議で全票一致で通過し、近68年の歴史に幕を下ろすことになります。解散日は未定で、法的意見の相談や資産分配を進めるとしています。

解散の理由

声明によると、長年香港の各大専院校を結束させ、社会改革を求め、重大な政治・社会事件に関与してきたものの、環境の変化によりメンバーや関係者が厳しい圧力に直面していることが挙げられます。具体的に、人身安全の問題として脅迫状の受領や追跡などの事例が発生しています。また、2020年の香港国家安全維持法施行後、反対派団体の解散が相次ぎ、大学生の政治活動離れや寄付の減少も背景にあります。

解散の影響

学連の解散は、香港の学生運動の歴史的な終わりを意味します。代表は「歴史ある組織との別れは困難で、多くの歴史的意義がある」と述べています。一方、専門家は国安法後の流れとして意外ではないとし、大学生は学生会や学会を通じて意見を表明できる可能性を指摘しています。学連の事務所はすでに空室となり、標識も撤去されています。

香港国家安全維持法の影響

2020年6月30日に施行された香港国家安全維持法は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託を禁じる内容で、香港の民主化運動に深刻な影響を及ぼしています。この法律の施行後、民主派の政治活動に対する圧力が強まり、言論統制が強化されました。

民主派団体の解散相次ぐ

施行から5年が経過した2025年までに、民主派政党や団体が次々と解散を余儀なくされました。例えば、社会民主連線が2025年6月29日に解散を発表し、民主党も同年12月14日に正式に解散を決定しました。これにより、香港の民主派政党はほぼ全滅状態となっています。

学連への具体的な影響

学連もこの法律の影響を受け、メンバーらが政治的圧力に直面しました。2020年の施行直後から、民主派団体の活動停止や解散が相次ぎ、学連は人身安全の問題として脅迫や追跡にさらされ、最終的に2026年の解散決定に至りました。この流れは、国安法が反体制派を解体するために利用されているとの批判を呼んでいます。