東大大学院教授が収賄容疑で逮捕の概要
東京大学大学院医学系研究科の佐藤伸一教授(62歳)が、共同研究相手からの接待を受けたとして収賄容疑で逮捕された事件が発生しました。この事件は、大学側のガバナンスの問題を露呈し、教授の解雇に至りました。事件の背景には、大麻成分を活用した化粧品の商品化に関する共同研究が関係しています。
逮捕の経緯と容疑内容
佐藤伸一教授は2026年1月24日、収賄容疑で警視庁に逮捕されました。容疑の内容は、付属病院の皮膚科長を務めていた時期に、一般社団法人「日本化粧品協会」との共同研究で便宜を図った見返りとして、高級クラブや性風俗店などで約180万円相当の接待を受けたというものです。調査によると、接待は2023年2月から2024年9月までの約1年半にわたり、月2~4回のペースで計31件、総額約918万円相当に上ることが明らかになっています。協会の代表理事から大麻成分(カンナビノイド)の分析施設開設費用を追加計上し、研究費を当初の9000万円から約2億円に倍増させましたが、協会からの実際の支払いは100万円のみで、残りは大学側が負担していました。また、元特任准教授の吉崎歩氏(46歳)も同容疑で1月26日に書類送検されました。
大学の対応
東京大学は事件を受けて迅速な対応を行いました。佐藤教授の行為を「弁明の余地のない不適切な行為」と判断し、厳正な処分を下しました。
処分内容
佐藤伸一教授は2026年1月26日付で懲戒解雇処分となりました。医学系研究科長および医学部長に対しては訓告が行われました。また、藤井輝夫学長は役員報酬の50%を1ヶ月分自主返納し、担当理事3人も30%を1ヶ月分自主返納しました。東大病院の田中栄病院長は1月27日に引責辞任しました。
謝罪会見
2026年1月28日、東京大学は記者会見を開き、藤井輝夫学長が「社会の信頼を著しく損ね、深く心よりおわび申し上げます」と謝罪しました。学長は会見で、一連の事件について「本学全体のガバナンスに問題があった」と説明しました。
再発防止策
東京大学は事件の再発を防ぐための具体策を講じる方針を発表しました。学内のチェック体制の強化、教職員向けの倫理研修の徹底、医学部付属病院の組織改革などを進め、2026年3月をめどに詳細をまとめ、実施する予定です。
関連する他の事件
この事件は、東京大学医学部や付属病院で相次ぐ汚職事件の一環です。2025年には、付属病院の医療機器選定を巡る収賄容疑で医学部准教授が逮捕され、在宅起訴されていました。これらの不祥事により、東京大学は「国際卓越研究大学」の認定申請で最長1年の継続審査となっています。
