アメリカ史上稀に見る大寒波:-40度超の記録的低温と24州の非常事態宣言

アメリカの歴史的寒波の概要

2026年1月に発生した北米冬嵐は、極端な寒気と湿気の相互作用により生じた大規模な気象現象で、重い雪、凍雨、危険な風寒を引き起こしました。この嵐は太平洋から発生し、1月22日に冷気低気圧として形成され、1月23日以降に米国中央部から東部へ拡大しました。影響範囲は2,000マイル以上に及び、四隅地域、オハイオ渓谷、南部、中西部、東部、ニューイングランド、カナダ中央部、アトランティックカナダ、北部メキシコに及びました。多くの地域で最低気温が記録的に低下し、風速を考慮した体感温度(風寒指数)が-40°F(約-40°C)近くまで達する場所もありました。

気象的な原因

上層大気の波が極渦を伸長させ、北極圏の寒気を米国大陸に流入させました。これが太平洋とメキシコ湾からの湿気と結合し、広範な凍結降水と雪を生じさせました。1月22日に太平洋上で冷気低気圧として始まり、1月23日には大平原とロッキー山脈上で広範な低気圧槽に発展しました。

タイムライン

1月22日:嵐が太平洋上で形成。1月23日:北部テキサス、南部オクラホマ、南部アーカンソーなどでみぞれと凍雨が始まり、後に雪に変わりました。1月24日:中央アーカンソーなどで雪が降り始め、気圧が999ミリバールに低下。1月25日:北東部でノーイースターに発展。嵐は1月26日時点で継続中でした。

影響を受けた地域と被害状況

嵐は米国本土の広範囲に影響を及ぼし、2億人以上が冬の降水や寒気の警告下に置かれました。死者は18人確認され、うちルイジアナ州で2人、テキサス州で1人、テネシー州で1人、アイオワ州で1人、ミシガン州で1人、ニューヨーク市で5人、メイン州で7人(飛行機事故)でした。停電は同時期に100万人以上に及び、主に南部で発生しました。

最低気温と記録的な低温

この寒波では多くの地域で最低気温が急低下し、記録を更新または接近する場所が相次ぎました。主な例として、ミネソタ州北部(Larch Lake付近)で-43°F(約-42°C)、同州他の地点で-42°F(約-41°C)を記録。ミシガン州フリントで-24°F(約-31°C、1994年以来の最低)。ミネソタ州の一部で-40°F(約-40°C)。北部平原や上中西部で風寒指数が-50°F(約-46°C)近くまで低下しました。南部でもダラスで風寒-3°F(約-19°C)、オースティンで-7°F(約-22°C)、一部で0°F(約-18°C)付近となりました。中西部や北部では-20°F(約-29°C)以下の気温が広く観測され、記録的な寒さとなりました。これらの低温は生命を脅かすレベルで、凍傷や低体温症のリスクを高めました。

交通と旅行への影響

飛行機便のキャンセルは1月23日に560便、1月24日に約4,000便、1月25日に9,000便以上発生。アムトラック列車も多数キャンセルされ、ニューヨークのラガーディア空港が一時閉鎖されました。道路ではノースカロライナで400件以上の事故が発生し、インターステートハイウェイの一部が閉鎖。学校や公共施設の閉鎖も広範に及びました。

記録的な気象現象

各地で降雪記録が更新され、アーカンソー州リトルロックで6インチ(1899年の記録破り)、ミズーリ州カンザスシティで5.2インチ(1956年破り)、オクラホマシティで4.4インチ(1948年破り)、オハイオ州コロンバスで11.6インチ(1988年破り)、ニューヨーク中央公園で11.4インチ(日記録)、フィラデルフィアで9.1インチ(2016年1月以来最大)でした。カナダのトロントでも46cmの記録的な雪が降りました。

非常事態宣言と対応

24の州知事が非常事態を宣言しました。具体例として、ニューメキシコ州(1月24日、20万ドル割り当て)、テキサス州(1月21日、緊急管理部動員)、アラバマ州(1月22日、19郡)、アーカンソー州(1月22日、25万ドル)、ジョージア州(1月22日、500人の州兵動員)、ルイジアナ州(1月18日、危機対応チーム活性化)、ミシシッピ州(1月23日)、ウェストバージニア州(1月21日、準備状態)、バージニア州(1月22日)、メリーランド州(1月22日、準備状態)、ニューヨーク州(1月23日)、ニュージャージー州(1月23日)、ペンシルベニア州(1月23日)、デラウェア州(1月24日)、インディアナ州(1月24日)、ミズーリ州(1月22日、州兵と緊急センター活性化)、カンザス州(1月23日)、オハイオ州(1月24日)、テネシー州(1月22日、全州)、ケンタッキー州(1月23日)、コネチカット州(1月24日)、ワシントンD.C.(1月23日)です。FEMAはアーカンソー、ジョージア、ウェストバージニア、ルイジアナの緊急宣言を承認し、連邦支援を提供しました。

連邦政府の対応

FEMAは嵐の影響として重雪、危険な凍雨、生命を脅かす風寒、広範な停電、樹木損傷、危険な道路状況を報告。連邦災害支援を州・地方・部族政府に提供し、生命・財産・公衆衛生・安全の保護を支援しました。

歴史的意義

この嵐は冬嵐警告下の郡数が過去最多となり、300百万人以上が警告下に置かれました。1996年1月の米国吹雪や2010年2月の北米吹雪に匹敵する規模で、2025-26年の北米冬の一部として位置づけられます。特に、上中西部や北部平原での-40°F前後の極端な低温は、近年稀に見る寒波として記憶されるでしょう。