JRA調教師免許試験で和田竜二騎手と藤岡佑介騎手が合格、試験の難易度と概要

JRA調教師免許試験で和田竜二騎手と藤岡佑介騎手が合格
JRA調教師免許試験の内容と難しさ

JRA調教師免許試験で和田竜二騎手と藤岡佑介騎手が合格

2025年12月11日、日本中央競馬会(JRA)は2026年度新規調教師免許試験の合格者を発表しました。この試験は応募者118名のうち1次試験で14名が合格し、最終的に4名が2次試験を突破する厳しい選抜プロセスを経ており、合格率は約3.4%という狭き門です。今回、現役騎手として合格したのは、和田竜二騎手(48歳、栗東所属・フリー)と藤岡佑介騎手(39歳、栗東所属・フリー)の2名です。両騎手は2026年3月1日付で調教師に転身する予定です。

合格者の一覧

2026年度調教師免許試験の合格者は以下の4名です

  • 古賀大生(こが ひろき)
  • 藤岡佑介(ふじおか ゆうすけ)
  • 三樹祐輔(みき ゆうすけ)
  • 和田竜二(わだ りゅうじ)

この発表により、JRAの調教師陣に新たな顔ぶれが加わることとなります。

和田竜二騎手のプロフィールと合格の背景

和田竜二騎手は、1996年に騎手免許を取得しデビュー。通算勝利数は約1,500勝のベテラン騎手として知られています。特に、2000年代の名馬テイエムオペラオーの主戦騎手を務め、G1レース7勝を含む輝かしい実績を残しました。同期には福永祐一調教師がおり、長年の絆が注目されています。

調教師試験については、和田騎手自身が「最後まで諦めずに取り組んだ」と語っており、合格発表後、スーツ姿で栗東トレーニングセンターに姿を現し、周囲から祝福を受けました。長男の和田陽希騎手や福永調教師からも喜びの声が寄せられています。転身後は「やるからにはトップを目指したい」との意欲を示しています。

藤岡佑介騎手のプロフィールと合格の背景

藤岡佑介騎手は、2004年に騎手免許を取得。兄弟で活躍する藤岡家の一員として、G1勝利を含む重賞勝利を重ねてきました。通算勝利数は約1,100勝に上り、安定した騎乗技術でファンから支持されています。

調教師試験の勉強を本格的に始めたのは2年前で、今回が2回目の受験でした。合格の感想として、「結果が出てホッとしています。いろいろな方々に協力していただき、感謝の気持ちでいっぱいです」と述べ、ファンの応援に報いる活躍を誓いました。同期の上野翔騎手からは「もともと頭がいい」との評価もあり、調教師としての活躍が期待されます。

今後の展望

両騎手の調教師転身は、JRA界に新たな風を吹き込むものと見られます。騎手時代の実績を活かした厩舎運営が注目されており、競馬ファンの間でも話題となっています。詳細な情報はJRA公式サイトにて確認可能です。

JRA調教師免許試験の内容と難しさ

JRA(日本中央競馬会)の調教師免許試験は、新規取得を目指す者を対象に毎年実施され、競走馬の管理や調教に関する専門知識と能力を厳しく評価するものです。試験は新規と更新に分かれますが、ここでは新規試験を中心に紹介します。

受験資格

原則として28歳以上であることが要件です。ただし、禁錮以上の刑に処せられた者や競馬法に違反した者などは受験資格がありません。実務経験の年数は問われませんが、合格者の大半は騎手や調教助手、厩務員などの厩舎関係者です。

試験の構造とスケジュール

試験は1次試験(9月中旬)と2次試験(11月下旬〜12月上旬)の2段階選抜です。合格発表は12月中旬に行われ、合格者は翌年3月1日付で免許交付を受けます。

1次試験の内容

主に筆記試験(学力及び技術に関する試験)が行われます。出題範囲は以下の分野に及び、専門的な知識が問われます。

  • 競馬関係法規及び労働関係基本法規
  • 調教に関する専門的知識
  • 馬学、衛生学、運動生理学、装蹄、飼養管理及び競馬に関する専門的知識

身体検査については、調教師としての業務を遂行するに当たり特に支障をきたすような障害がないことを、試験場での確認や身体検査書の提出により別途要件として審査されます。合格基準は非公表ですが、非常に高い正答率(概ね6割以上)が求められるとされています。

2次試験の内容

1次試験通過者を対象に、学力及び技術に関する口頭試験(面接)と人物考査が行われます。調教技術だけでなく、厩舎経営のビジョン、労務管理、危機管理能力、コンプライアンス意識などが総合的に審査されます。

試験の難易度

合格率は例年5〜10%前後で推移していましたが、近年は受験者数の増加に対し合格枠が少なく、3〜4%台となるケースもあります。例えば、2026年度試験では申請者118名のうち最終合格者4名(合格率約3.4%)でした。1次試験通過者は約20名程度に絞られるため、倍率は20〜30倍を超える年が多く、「騎手免許よりも勉強量が必要」と言われるほど、知識と実務の両面で高い能力が求められます。