大分市佐賀関で大規模火災、陸上自衛隊に災害派遣要請の概要

大分市佐賀関で発生した大規模火災の概要

2025年11月18日午後に、大分県大分市佐賀関地区で大規模な火災が発生しました。この火災は住宅や周辺の建物に急速に広がり、延焼した建物は170棟を超えています。消火活動は継続中ですが、鎮火の見通しは立っておらず、消防や地元当局による懸命な対応が続けられています。

火災の発生日時と場所

火災は11月18日午後から発生し、大分市佐賀関地区を中心に広がりました。佐賀関は大分市の北部に位置する地域で、住宅密集地帯であるため、火災の拡大が懸念されました。通報から半日が経過しても鎮火に至っておらず、夜間から翌朝にかけての活動が特に難航した模様です。

被害状況

現時点で確認されている被害は、住宅を含む170棟以上の建物が延焼したことです。また、70代の男性1人が死亡が確認されており、連絡が取れなくなった状態から捜索が行われました。避難者は最大で180人に上り、大分市が開設した避難所で支援を受けています。人的被害の詳細は引き続き調査中です。

陸上自衛隊への災害派遣要請と対応

大分県は、火災の規模と消火の困難さを考慮し、2025年11月19日午前9時に陸上自衛隊に対して災害派遣を要請しました。この要請は防衛省によって即座に受理され、自衛隊の迅速な対応が開始されました。要請の背景には、地上からの消火だけでは対応しきれない火災の広がりと、航空支援の必要性がありました。

要請の経緯

11月19日午前3時頃、大分県知事から陸上自衛隊第4師団長へ電話連絡が行われ、情報収集のための事前調整がなされました。その後、午前9時に正式な災害派遣要請が発出され、第1回大分県災害対策本部会議で決定されました。この要請は、災害対策基本法に基づくもので、県の判断により自衛隊の専門的な支援を活用するものです。

自衛隊の具体的な活動

要請受理後、陸上自衛隊西部方面航空隊(目達原駐屯地、佐賀県)および第4飛行隊からヘリコプター3機が派遣され、空中からの消火活動を実施しています。バケツ吊り下げ方式による放水が主な任務で、火災の鎮圧と延焼防止に寄与しています。また、陸上部隊の投入も検討されており、全体として約100人規模の人員が動員可能です。活動は11月19日午前9時11分以降に本格化しました。

政府・行政の対応と今後の見通し

政府は11月19日、首相官邸危機管理センターに情報連絡室を設置し、状況の把握と支援の調整を進めています。大分県および大分市は、災害対策本部を設置して避難者支援や被害調査を強化しており、復旧に向けた計画を立案中です。火災の原因は現時点で特定されておらず、警察や消防による捜査が継続されています。

避難者支援と復旧計画

避難所では食料や毛布の配布が行われ、被災者の健康管理も徹底されています。県は自衛隊の派遣により、消火の進展を期待しており、早期の鎮火と安全確保を最優先としています。被害額や全容の把握には時間を要する見込みです。