・TBS「報道特集」ジャーナリズム大賞受賞
・立花氏逮捕報道と斎藤知事不起訴の「スルー」に対する疑問の声
TBS「報道特集」の放送変更とジャーナリズム大賞受賞のニュース
TBS系報道番組「報道特集」は、毎週土曜日の午後5時半に放送される調査報道を中心とした人気番組です。最近のニュースでは、この番組の公式X(旧Twitter)アカウントが更新され、11月15日の放送内容が変更されたことが報告されました。変更後のテーマは、政治団体「NHKから国民を守る党」の党首である立花孝志容疑者の逮捕に焦点を当てたものです。立花容疑者は、兵庫県の内部告発文書問題に関連して亡くなった元兵庫県議・竹内英明氏に対する名誉毀損容疑で逮捕されました。この事件は、SNSを通じたデマ拡散が社会問題化している中で注目を集めています。
さらに、同番組は過去の兵庫県知事選をめぐるキャンペーン報道「SNSと選挙・広がる誹謗中傷」について、2つの大きな賞を受賞したことも併せて報告されました。一つは「調査報道大賞」、もう一つは「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」の公共奉仕部門大賞です。これらの受賞は、番組が誹謗中傷の拡散を追及した功績を評価されたものであり、公式アカウントでは「番組をご覧いただいている皆さま、番組に協力してくださった方々、番組を支えてくださっている方々に、改めて深く感謝を申し上げます」と感謝の意が述べられています。
立花孝志容疑者の逮捕事件の概要
立花孝志容疑者の逮捕は、2025年11月9日に兵庫県警によって行われました。容疑は、今年1月に自死した竹内英明元兵庫県議に対する名誉毀損です。立花容疑者は、SNS上で竹内氏に関するデマを拡散したとされ、これが竹内氏の妻からの刑事告訴につながりました。逮捕時の状況は異様で、大阪府堺市のコインパーキングで未明に拘束されたほか、10月にはドバイへの渡航歴が明らかになり、警察は「逃亡の恐れ」を理由に逮捕状を発行したとされています。立花容疑者は取り調べで「発言したことは間違いない」と供述しており、事件の焦点は発信内容の「真実相当性」にあるようです。この事件は、兵庫県知事選での立花容疑者の関与とも絡み、SNSを通じた選挙干渉の危険性を浮き彫りにしています。
「報道特集」の受賞作とその背景
受賞した報道は、2024年の兵庫県知事選を舞台に、立花容疑者が斎藤元彦知事の対抗馬を支援する形で展開した「2馬力選挙」の裏側を追ったものです。番組では、立花容疑者のSNS投稿が誹謗中傷を助長した可能性を指摘し、選挙の公正性を問う内容が展開されました。このシリーズは、ジャーナリズムの観点からSNSの負の側面を深掘りした点が高く評価され、早稲田大学のジャーナリズム大賞では公共奉仕部門の大賞に輝きました。公式Xでは、過去の放送アーカイブのリンクも共有され、視聴者に改めて視聴を呼びかけています。この受賞は、メディアの社会的責任を果たした好例として、業界内で称賛されています。
立花氏逮捕報道と斎藤知事不起訴の「スルー」に対する疑問の声
一方で、このニュースに対するネット上での反応は、疑問が大半をしめています。特に、X(旧Twitter)やヤフコメでは、立花容疑者の逮捕を報じる「報道特集」の姿勢に対して、「立花氏の行動は周知の事実」「斎藤知事を煽りにあおった責任はどうなるのか」という疑問の声が相次いでいます。これらの声は、メディアの公平性を問うものであり、兵庫県政をめぐる一連の騒動の複雑さを反映しています。立花氏の行動が「周知の事実」として扱われやすい一方で、斎藤知事側の不起訴処分が十分に報じられていない点が、視聴者の不信を招いているようです。
斎藤知事の不起訴処分とは
斎藤元彦兵庫県知事は、2024年の知事選で再選を果たした後、公職選挙法違反(買収)の疑いで書類送検されました。疑いの内容は、選挙運動の対価としてPR会社「merchu」に報酬を支払った可能性で、同社の女性社長がSNS上で広報業務を誇示した投稿が発端となりました。しかし、神戸地検は2025年11月12日、この事件を含む兵庫県政関連の7件の告訴・告発をすべて不起訴(嫌疑不十分)と判断しました。地検の発表では、PR会社への報酬が「選挙運動の対価」と認められなかったことが理由です。斎藤知事は不起訴を受けて「捜査機関において十分な捜査を尽くされた結果、適切に判断いただいたものと考えております」とコメントを発表し、安堵の表情を見せました。
ネット上の疑問の声とその理由
Xでの検索では、立花容疑者逮捕直後の投稿で「報道特集」が斎藤知事の不起訴を報じていない点を指摘するものが目立ちます。例えば、あるユーザーは「メディアの違いなだけで扇動したって視点では立花孝志と同レベルかそれ以上だよこの番組。齋藤知事が勝ったのも正直報道特集みたいな左派番組が偏向報道した結果でもあると思う。メルチュや斎藤知事が不起訴になった事は報道しろよ」と投稿し、番組の偏向を批判しています。別の投稿では、「斎藤知事不起訴でマスコミ報道メディア、アンチ斎藤のやった事は立花孝志さんとなんら変わらん事になった所か県政を混乱させたワケだが」と、メディアの責任を追及する声が見られます。これらの疑問は、斎藤知事側の不起訴が「スルー」されていると感じる視聴者のフラストレーションを表しています。背景には、兵庫県の内部告発文書問題がもたらした県政混乱があり、メディアの選別的な報道が信頼を損なう要因となっています。こうした声は、ジャーナリズムの公平性を求める社会的な議論を促すものと言えるでしょう。
「報道特集」公式X投稿への疑問リプライの殺到
特に、「報道特集」の公式Xアカウント(@tbs_houtoku)が11月12日に投稿した告知に対して、疑問や批判のリプライが殺到しています。この投稿は、受賞の喜びを述べた上で「立花氏逮捕と誹謗中傷の問題は、今週15日(土)の放送で、さらに詳しくお伝えします」と締めくくられており、すでに6,650以上のいいねと546件のリプライを獲得しています。しかし、そのリプライ欄は主に批判的な声で埋め尽くされており、番組の偏向性を指摘するものが目立ちます。
例えば、あるリプライでは「ゴリゴリ偏向報道の番組が貰える賞とか誰が評価してんだよww メディアの違いなだけで扇動したって視点では立花孝志と同レベルかそれ以上だよこの番組」と、番組の報道姿勢を立花氏の行動と同等視する厳しい意見が寄せられています。別のユーザーからは「齋藤知事が勝ったのも正直報道特集みたいな左派番組が偏向報道した結果でもあると思う。メルチュや斎藤知事が不起訴になった事は報道しろよ」と、斎藤知事不起訴の「スルー」を直接非難する声が相次いでいます。また、「偏向報道大賞の間違いでは?」や「こんな番組が受賞とは・・・世も末だ」といった投稿も見られ、番組の受賞自体を疑問視するリプライが数百件に上っています。
これらのリプライは、投稿直後から急増し、最新の検索時点で批判が優勢な状況です。一方で、番組を支持する声として「オールドメディアの矜持に感謝」といった肯定的なリプライも少数ながら存在しますが、全体として疑問の声が圧倒的です。このような反応は、SNS時代におけるメディアの透明性と公平性をめぐる議論を象徴しており、放送当日(11月15日)の内容がさらに注目を集めることでしょう。こうしたネットの声は、番組制作側にとっても視聴者との対話を促す機会となるかもしれません。
