2024年度の会計検査院決算検査報告書:省庁・団体別 指摘金額一覧

会計検査院が令和6年度決算検査報告を内閣に送付
省庁・団体別 指摘金額一覧

会計検査院が令和6年度決算検査報告を内閣に送付

2025年11月5日、日本国の財政監視機関である会計検査院は、令和6年度(2024年度)の国家決算を徹底的に検証した「決算検査報告」を完成させ、内閣へ正式に送付しました。この報告書は、国民の税金がどのように使われたかを厳しくチェックした結果をまとめたもので、毎年秋に公表される国家財政の“健康診断書”とも呼べる重要な文書です。

令和6年度決算検査報告(最新)-概要

そもそも会計検査院って何をするところ?

会計検査院は日本国憲法第90条に基づく独立機関で、内閣からも国会からも距離を置いた“第4の権力”として機能します。主な仕事は:

  • 国の歳入・歳出すべてを会計帳簿レベルで検査
  • 無駄遣い、不正、制度の穴を指摘
  • 翌年度の予算編成に活かされる改善提案

院長以下約1,300人の検査官が全国を飛び回り、1年がかりで作成する報告書は数百ページに及びます。

令和6年度報告のポイント(速報)

今年の報告では、総額約540億円規模の「無駄遣い・効果不足」が319件摘発されました。主な事例:

  • 補助金が目的外に使われた自治体事業
  • 公共工事の過大設計・入札不正
  • コロナ後遺症対策予算の執行遅れ

特に注目は「デジタル庁関連予算」で、システム開発費の水増し請求が複数発覚。1件だけで20億円超の返還要求が出されています。

11月5日当日の様子

午前10時、東京・霞が関の会計検査院本院。田中弥生院長(※2025年時点)が総理官邸へ直行し、高市早苗首相に報告書を手渡しました。手交式では首相が「国民の血税を1円たりとも無駄にしない」と決意表明。記者会見では院長が「AIを活用した新検査手法で従来の3倍の取引をチェックできた」と成果を強調しました。

私たち国民にできること

報告書は翌日より会計検査院HPで全文公開されます。気になるキーワードで検索してみてください。あなたの税金がどう使われたか、きっと驚きの事実が見つかります。そして来春の国会決算委員会で、議員がこの報告をどう突っ込むか——そこが予算改善の分水嶺です。

省庁・団体別 指摘金額一覧

報告書の「掲記事項」から、返還・改善要求額を「省庁」と「団体」に分け、掲載。団体については1億円以上を掲載

▼ 省庁(13省庁)

省庁 不当・不正額
経済産業省 220億5880万円
厚生労働省 37億5206万円
国土交通省 19億6328万円
防衛省 14億5729万円
環境省 12億2475万円
外務省 11億7749万円
農林水産省 10億6311万円
総務省 5億0559万円
財務省 3億8035万円
文部科学省 1億3794万円
内閣府 8694万円
こども家庭庁 3209万円
消費者庁 1358万円

▼ 団体(4法人)

独立行政法人・国立研究開発法人 不当・不正額
独立行政法人中小企業基盤整備機構 121億1071万円
独立行政法人国際協力機構(JICA) 47億4250万円
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 28億5512万円
国立研究開発法人建築研究所 3億5339万円