ニューヨーク市長選挙:民主党左派ゾーラン・マムダニ氏の当選確実
2025年11月4日に投開票されたニューヨーク市長選挙で、民主党候補のゾーラン・マムダニ氏(34)の当選が確実となりました。AP通信、ニューヨーク・タイムズ、NBCニュース、CBSニュースなど米主要メディアが一斉に投影し、マムダニ氏が無所属のアンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事および共和党のカーティス・スリワ氏を破ったと報じています。
歴史的勝利のポイント
- 初のイスラム教徒市長:ニューヨーク市史上初のムスリム(イスラム教徒)市長。
- 初の南アジア系市長:インド系両親のもとウガンダで生まれ、7歳でNYに移住した移民2世。
- 100年ぶりの最年少市長:34歳での当選は、1934年就任のフィオレロ・ラガーディア氏(42歳)以来の若さ。
- デジタルネイティブ初の市長:TikTok・Instagramを駆使したキャンペーンで「初のデジタルネイティブ市長」と称される。
選挙結果の概要
投票総数は200万票超と1969年以来の過去最高。ニューヨーク市選挙管理委員会によると、事前投票だけで73万票以上が投じられ、2021年市長選の総投票数を上回る熱狂ぶりでした。
| 候補者 | 所属 | 主な得票状況 |
|---|---|---|
| ゾーラン・マムダニ | 民主党 | 当選確実(AP投影) |
| アンドリュー・クオモ | 無所属 | 敗北 |
| カーティス・スリワ | 共和党 | 敗北 |
予備選からの軌跡
- 6月24日の民主党予備選で、優先順位付き投票(Ranked-Choice Voting)最終集計によりマムダニ氏が56.4%を得票、クオモ氏(43.6%)を圧倒。
- クオモ氏は予備選敗北後も無所属で出馬を継続したが、再び敗北。
- 現職エリック・アダムス市長は9月28日に立候補を辞退(投票用紙には残存)。
勝利の要因:生活費軽減を徹底訴求
マムダニ氏は「手頃な価格のニューヨーク」をスローガンに、以下の政策を前面に押し出しました。
- 家賃安定化アパートの家賃凍結
- 市営バスの完全無料化
- 保育の完全無償化
- 市営食料品店の設置
- 大企業・富裕層への増税で財源確保
これらの公約は、物価高に苦しむ若者・労働者層の圧倒的支持を集め、特に18~29歳層では支持率73%に達しました。
トランプ大統領との対立
トランプ大統領は選挙戦終盤、マムダニ氏を「共産主義者」と呼び、勝利すれば連邦資金を大幅削減すると警告。クオモ氏への投票を呼びかける異例の介入を行いましたが、逆効果に終わりました。
就任後の注目点
マムダニ氏は2026年1月1日就任。トランプ政権2期目との対峙、住宅・交通・教育の抜本改革が最大の試金石となります。勝利演説」で「ニューヨークを再び手頃な価格の街に」と強調し、支持者から「City Hall行き!」の歓声が沸きました。
