立民幹事長の「を」「も」発言が波紋:玉木氏めぐる野党統一候補の調整と批判
2025年10月14日、立憲民主党の安住淳幹事長が、首相指名選挙の野党統一候補をめぐり、国民民主党の玉木雄一郎代表について「玉木さん『を』じゃない。『も』と言っている」と記者に念押しする発言が注目を集めました。この発言は、玉木氏を野党統一候補の「唯一の選択肢」ではなく「有力な選択肢の一つ」と位置づける意図でしたが、言葉のニュアンスにこだわる姿勢に対し「本質を見失っている」との批判が上がっています。以下、発言の背景と批判の詳細をまとめます。
発言の背景:野党統一候補の模索と玉木氏の位置づけ
臨時国会での首相指名選挙を控え、立民は自民党の高市早苗総裁に対抗するため、日本維新の会や国民民主党と統一候補の擁立を模索しています。玉木氏は国民民主の現実路線(原発推進や安保政策など)が立民の「原発ゼロ」「安保関連法の違憲部分廃止」と対立し、調整は難航。10月8日の立民・国民の会談で安住氏が「玉木氏も有力」と発言したことが「玉木氏を候補に一本化」との誤解を招き、14日の会談後、安住氏は「『を』ではなく『も』」と訂正を強調しました。これは、玉木氏が断った場合に他の候補(例:野田佳彦代表など)を検討する柔軟性を示す狙いでしたがどちらの表現を使おうと、結果は同じなのです。しかし、このような言葉の綾にこだわる姿は、野党の戦略の曖昧さとリーダーシップの欠如を象徴しています。
「を」「も」論争への批判とその理由
安住氏の「を」「も」発言に対し、「論点がずれてる」との声が上がっています。その理由は以下の通りです。
- 本質的課題の後回し:野党統一には政策のすり合わせや具体的な候補選定が急務だが、言葉の細部にこだわることで調整の遅れが目立ち、立民のリーダーシップが疑問視されています。特に、玉木氏が統一候補を辞退する可能性が高い中、代替案の提示が不十分です。
- 有権者目線の欠如: 一般の有権者は「を」か「も」かの違いなど気にしません。彼らが求めるのは、具体的な政策連帯や与党批判の鋭さです。このような内輪の言葉遊びは、野党の「小賢しさ」を強調し、支持離れを加速させるだけです。実際、世論調査では立憲民主党の支持率の低迷が続いており、こうしたエピソードが火に油を注いでいます。
- リーダーシップの不在: 幹事長として、記者会見は党の顔です。そこで文法論争に終始するのは、戦略立案者の資質を疑わせます。もし玉木氏が第一候補だったなら、事前の調整を徹底すべきです。断られる可能性があるので「も」強調は、後付けの言い訳にしか聞こえません。
この発言は、単なる失言ではなく、野党全体の「まとまりのなさ」を象徴するもので与党の支持率が低迷する中、野党がチャンスを活かせないのは、こうした内部の混乱が原因です。
結論として、このニュースは「を」か「も」かの論争を通じて、野党のコミュニケーション不足を浮き彫りにしています。責任のある幹事長としての発言は、論点のずれが党の弱さを増幅させるからです。将来的には、候補調整の透明性を高め、政策ベースの統一戦線を構築することが急務です。
政治は言葉のゲームではなく、国民のための行動です。