自民党・船田元の石破首相退陣撤回と総裁選やり直し案の概要と党内外の反応

自民党・船田元氏:公明党連立離脱方針に対する独自提言

2025年10月12日、自民党の衆議院議員である船田元(はじめ)氏(14期)が、自身のFacebook上で、公明党の連立政権離脱方針に対する独自の提言を投稿しました。この投稿は、政界に大きな波紋を呼び、党内外からさまざまな反応を引き起こしています。船田氏は元経済企画庁長官として長年政界で活躍しており、今回の提言は自民党内の連立維持派の声として注目を集めています。

投稿の背景:公明党の連立離脱表明とその影響

公明党は10月10日、自民党の高市早苗総裁との党首会談後、連立政権からの離脱を正式に表明しました。これは、1999年の小渕恵三内閣以来、約26年にわたる自公連立の歴史に終止符を打つ歴史的な出来事です。離脱の主な理由は、「政治とカネ」に関する基本姿勢の相違、特に企業・団体献金の規制強化をめぐる溝が埋まらなかった点にあります。

公明党の斉藤鉄夫代表は会談後、「自公連立政権についてはいったん白紙とし、これまでの関係に区切りをつけたい」と述べ、臨時国会での首相指名選挙では高市氏に投票しない方針を示しました。一方、高市総裁は「一方的に離脱を伝えられた。大変残念」と応じ、党内協議を進める姿勢を見せました。この離脱により、自民党は衆院で過半数を割り、政局は極めて流動化しています。新たな連立相手として、維新の会や国民民主党との連携が模索される可能性が浮上しています。

船田元氏の提言内容:石破首相退陣撤回と総裁選やり直し案

船田氏のFacebook投稿は、こうした緊迫した状況下で、公明党の離脱を「高市総裁の対応が不十分だったため、公明党が怒るのも当然」と指摘した上で、具体的な解決策を提案するものです。主な内容は以下の通りです。

  • 第一案:石破首相の退陣撤回と連立再協議
    石破茂前首相が表明した退陣を撤回し、当面の政権運営を継続。その上で、公明党との話し合いをやり直す。これにより、連立の枠組みを維持し、政権の安定を図る。
  • 第二案:高市総裁の辞任と総裁選再実施
    第一案が難しい場合、高市総裁に一度退いていただき、早急に総裁選挙をやり直す。新総裁のもとで、連立の枠組みをはじめとした政権構想の立て直しを模索する。船田氏は「公明党も高市氏以外なら組む可能性がある」との認識を示しています。

船田氏は投稿で、「公明党の怒りは理解できる。高市氏の対応が十分でなく、連立解消が告げられた」と自民党側の責任を認めつつ、党の存続と政権運営の観点から選択肢を提示しました。この提言は、船田氏の独自見解として位置づけられており、党の公式方針ではありません。

提言の詳細と船田氏の意図

公明党が求める企業・団体献金の規制(政治団体を党本部や都道府県連に絞る案)に対する自民党の抵抗を指摘し、「地方議員への影響が大きいため反対が強い」と背景を説明。離脱が自民党の支持率低下を招くリスクを強調し、総裁選やり直しが「党員の声と公明党の意向を両立させる唯一の道」と位置づけています。

船田氏の意図は、連立解消による政権崩壊を防ぎ、与党の安定を優先することにあります。過去の自公関係では、公明党の組織票が自民党の選挙勝利に不可欠だった経緯があり、船田氏のようなベテラン議員にとっては、離脱が自身の選挙区(香川2区)にも直結する深刻な問題です。しかし、この提言は「公明党依存の体質」を露呈するとして批判を浴びています。

党内外の反応

船田氏の投稿は、X(旧Twitter)上で瞬く間に拡散され、自民党内では、東京都議の早坂よしひろ氏が「民主主義を分かっていない。政治家を辞めるべきレベル」と痛烈に批判。「党員の総意で選ばれた総裁を外部圧力で交代させるのは本末転倒」との声が相次ぎました。一部では「船田氏は公明党に移籍すればいい」との皮肉も飛び交っています。

今後の政局への示唆:自民党の選択肢

船田氏の提言は、自民党が直面するジレンマを浮き彫りにしています。高市総裁体制下で公明党との溝を埋められなければ、維新や国民民主との新連立が現実味を帯びますが、政策面での調整が課題です。一方、総裁選やり直しは党内の混乱を招き、当然、国民からは理解が得られませんので10月中の臨時国会での首相指名選挙が最大の山場となります。

船田氏のFacebook投稿は、政界の混乱を象徴する投稿で引き続き、党内の動向に注目が集まります。