吉村洋文代表、読売テレビ「かんさい情報ネットten.」に生出演 自公連立解消の緊急事態に維新の戦略を語る
2025年10月10日、大阪府知事で日本維新の会の吉村洋文代表(50)が、読売テレビの夕方ワイド番組「かんさい情報ネットten.」(月曜~金曜 後3:50~、全体放送15:50~19:00)に生出演しました。放送時間は16:25~17:10頃で、維新の党運営や衆院選の振り返りをテーマに予定されていましたが、放送直前に自民党と公明党の連立解消という重大ニュースが飛び込み、急遽テーマが変更。吉村代表は、政界再編の可能性や維新の今後の連携戦略について、具体的かつ踏み込んだ発言で視聴者の注目を集めました。
かんさい情報ネットten.:吉村洋文代表
自公連立解消の背景と維新の立ち位置
自民党と公明党の連立解消は、企業・団体献金の規制をめぐる政策対立が主因です。自民党は献金上限を「1億円」とし、制限を設けない方針を主張。一方、公明党と国民民主党は上限を「2000万円」に設定し、制限を強化する立場を取ります。維新と立憲民主党はさらに厳しく、上限「2000万円」でも政治団体に限定し、「原則禁止」を掲げています。公明党が自民党に歩み寄りを期待したものの折り合わず、連立は白紙に。吉村代表は「鉄の結束と言われた自公が解消とは、まさに政界の地殻変動」と驚きを表明しつつ、「維新にとってはチャンス」と冷静に分析。連立解消が政権交代や新たな連携の契機になり得るとの見方を示しました。
維新の連携戦略 公明・国民との本気度を試す
番組の中心話題は、連立解消後の維新の連携戦略でした。吉村代表は「公明党と国民民主党の本気度を確かめたい」と明言。特に国民民主党の玉木雄一郎代表を首相とする「玉木首相」案について、「可能性は高くないがゼロではない」と慎重ながら前向きな姿勢を示しました。「立憲民主党や国民民主党の出方次第で、本気で話を聞く用意がある」と述べ、維新が政権交代の鍵を握る可能性を強調。首班指名選挙では「原則として藤田(淳司)共同代表を推す」と維新独自候補を掲げつつ、「状況次第では柔軟に対応する」と含みを持たせました。司会者から「自民党との連携は?」と問われると、「自民の一部議員とは政策が近いが、党全体としては難しい」と牽制しつつ、完全否定は避ける現実路線を見せました。X上では「維新の柔軟性が頼もしい」「自民合流は避けてほしい」といった賛否両論が飛び交いました。
維新の政策アピール 経済と改革の両輪
吉村代表は維新の政策も積極的にアピール。「社会保険料の引き下げ」と「消費税減税」を柱に、「国民の可処分所得を増やし、経済を活性化させる」と力説しました。社会保険料については、現行の負担率(給与の約15%)を「10%台前半に下げる」と具体的な目標を提示。消費税減税は「一時的でも8%への引き下げを検討」と述べ、コロナ禍後の経済回復を重視する姿勢を強調しました。司会者から「高齢者福祉への影響は?」との質問には、「子供や若者への投資を優先しつつ、持続可能な福祉を構築する」と回答。世代間バランスを重視する維新のスタンスを明確にしました。
大阪都構想の3度目の住民投票については、「タイミングと国民の声を慎重に見極める」と述べ、即時再挑戦は否定。過去2回の否決(2015年、2020年)を踏まえ、「大阪の成長戦略として都構想の意義は変わらないが、説明責任を果たす必要がある」と丁寧な姿勢を示しました。維新のX公式アカウントは、吉村代表の発言動画を固定ポストに設定し、党の政策PRを強化しています。
番組の反響と今後の展望
連携についてはさまざまな可能性についてふれましたが現時点では何も決まっておらず、これからの各党との話し合いで方向性を示していくと言うことでした。
吉村代表の出演は、急な政局変化への即応力と維新の戦略的ポジショニングを印象づけました。視聴者からは「吉村氏の現実的なトークが維新の強み」「政権交代の鍵を握るなら期待大」といった声がXで上がり、一方で「自民寄りの匂いが気になる」との慎重論も。連立解消による政界再編の波は、維新に新たなチャンスをもたらす一方、立憲や国民との連携の具体化が課題です。吉村代表は「国民の生活を第一に、維新らしい改革を進める」と締めくくり、番組を終えました。この出演が維新の支持拡大につながるか、衆院選後の政局で注目が集まります。